10日のW杯アジア最終予選で日本代表と対戦するインドネシア代表が9日、試合会場のパナソニックスタジアム吹田で公式練習を行った。練習前にはパトリック・クライファート監督とMFジェイ・ペルぺシー(ロンメル/ベルギー)が公式会見に出席。前節、ホームで中国を1-0で下し、アジアプレーオフに回る4位以内が確定したこともあり、記者会見はリラックスした雰囲気で進んだ。

　元オランダ代表FWのクライファート監督は「日本は本大会出場が決まっているし、インドネシアもプレーオフに進むことが決まっている。明日は喜びを感じられるような試合にしたい」とコメント。インドネシアメディアから「明日は真剣な試合になるのか、それとも楽しみな試合なのか」という質問が出ると、「真剣な試合になる。日本はこのグループのリーダーで、インドネシアにとってはアウェーの試合。インドネシアがインドネシアの試合をできるようにする必要がある」と応じた。

　今年1月、シン・テヨン前監督の後任としてインドネシア代表監督に就任。3月20日の初陣こそオーストラリアに1-5で大敗したが、続く3月25日のバーレーン戦に1-0で勝利。今月5日の中国戦も1-0で連勝し、アジアプレーオフ出場権を獲得した。帰化選手が続々とチームに加わる一方、システム自体は前監督時代の3-4-2-1を踏襲した。

「大事なことは、私が監督になったとき、すでにシステムが構築されていたということだ。自分が最初からやっていたら選ばなかったシステムかもしれないが、私が着任したとき、すでに出来上がっていたので、私がそれに慣れるという気持ちで始めた。システムを大幅に変える必要性は即座には感じなかったし、オランダでアシスタントコーチをやっているころからよく知っているシステムだった」

　選手が慣れ親しんだシステムに強力な個が次々と加わっている。会見に同席したペルペシーや、新エースのFWオレ・ロメニー(オックスフォード/イングランド)は今年3月の最終予選からチームに合流した帰化選手。ロメニーはデビューから3試合連続ゴール中で、ペルぺシーもダブルボランチの一角として直近2試合にフル出場し、連勝に貢献した。

　クライファート監督はペルペシーについて「もともとは右サイドバックだったが、質が高いということでMFにコンバートした。彼はチームの中で指揮を執るオーガナイザー。質の高いプレーを求めているし、ピッチ内外でそうした特性を発揮してくれている」と、高い信頼を口にした。

(取材・文　西山紘平)

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