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「あとは自分が結果を出すだけ」攻撃で可能性示すパリ五輪世代、C大阪で経験積むSB奥田勇斗

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DF奥田勇斗 ※写真は過去のもの

[5.15 J1第14節 町田 2-1 C大阪 Gスタ]

 主力負傷のなかで出番を掴み、存在感を示している。セレッソ大阪のDF奥田勇斗は直近3試合出場。巧みなポジショニングでビルドアップに貢献し、「攻撃に積極的に参加している部分で、多くチャンスは作れている」と手応えを語った。

 戦術の肝となる両SB、登里享平と毎熊晟矢を負傷で欠くC大阪だが、大卒ルーキーが奮闘を見せている。奥田は前節にJ1リーグ初先発。FC町田ゼルビア戦でも引き続きスタメン入りを果たした。

 奥田は立ち位置を巧みに入れ替え、右サイド際に張ることなく、時には中盤に入り込みながら攻撃を構築。また、右インサイドハーフの柴山昌也、右ウイングのジョルディ・クルークスとの連係で右サイドを崩す姿勢は、得点の匂いを漂わせていた。

 前半はチャンスを作る場面も多かったが、後半25分に失点を喫すると流れが変わる。同39分にはレオ・セアラがPKを決めて1-1と追いつくが、奥田は「同点になったときに勝ち急いでしまった部分があった」と振り返る。「自分たちが間延びしてしまって、オープンな展開が多くなった。そこで一回攻撃で落ち着かせたりする時間帯が増えれば、もっと攻撃の幅も広がる」。後半アディショナルタイムの失点で3連敗となる黒星を喫した。

 一時は首位に立っていたものの、3連敗で順位は8位に沈んだ。それでも奥田は「自分たちがやってきていること自体は間違いではない」と現状を見つめる。「自分たちが落ち込まずに、このままの勢いでもう一つ二つ改善することができれば、おのずと結果はついてくる。ここでマイナスにならずに、チーム全体で声を掛け合いながら勝利できればいい」と力を込めた。

 J1デビューを飾った第2節は左サイドでプレー。直近は右サイドでプレーをする器用さを持つ。「右SBだと右でオープンに持てて、ビルドアップの運び方自体はやりやすい。上がったときも右でクロスを上げられる。逆に左の強みは、ドリブルで右で持てるのでカットインができたり、縦に突破してクロスを上げられる。運びやすさは左SBがやりやすい」。守備の仕方は体の向きが両サイドで変わるためにやりにくさもあるというが、「それも慣れてきた」と自信をのぞかせた。

 パリオリンピック出場を決めたU-23日本代表には、昨年6月の欧州遠征と同年9月のアジア競技大会で参加した。「今までは日本代表に選ばれる選手ではないと思っていたので、ちょっとずつレベルアップして、周りに見てもらえる機会があって、自信を持っていいんだと感じてきた」と収穫は大きかったという。

 それでも、パリ五輪を懸けた戦いには参加できず。U23アジアカップは「ちょっと悔しい気持ちもありながら観ていた」と本音。町田戦にはU-23日本代表スタッフも視察しており、「自分が試合に出れているという状況のなかでしっかり見てくれていると思う。あとは自分が結果を出すだけ。チームの結果も、個人の結果でもアシストやゴールにつなげるプレーをしっかりと見せたらチャンスはある」と前を向いていた。

 日の丸を背負う身近な先輩から多くを学ぶ。「毎熊くんから見習う部分はあるし、逆サイドのノボリさんからも吸収する部分がある。それを試合に生かせたら」。世代別代表、J1リーグとステップアップした舞台でしっかりと経験を積み上げていきながら、好循環のなかでさらなる成長を目指している。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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