beacon

一度は振ったクラブとの縁、仙台が“悲願”の獲得…桐蔭横浜大GK高橋一平「東北出身として誇りに思います」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

 ベガルタ仙台への入団内定発表は、大学のリーグ戦が終了したあとの11月19日だった。「これまでも何個か練習に行ったクラブがあったけどダメで。ベガルタさんには10月中旬に練習に参加したけど、セレクションという形の参加はラストにしようと思っていました」。強い決意で臨んだ桐蔭横浜大GK高橋一平(4年=神戸U-18)は見事に獲得オファーを勝ち取った。

「幼いころからの夢だったプロサッカー選手のキャリアを仙台で始められることを東北出身として嬉しく、誇りに思います。自分の持ち味である高さと身体能力を生かしたセービングで仙台に多くの勝ち点をもたらしたい」

 一度は“振った”クラブだった。秋田県秋田市出身の高橋は、中学時代までブラウブリッツ秋田の下部組織でプレー。ただ当時から目立っていた長身、そして高い身体能力は全国的な注目を集めており、高校進学時にJクラブは8クラブほど、高体連も青森山田高や関東一高から声がかかっていたという。

 その中で最後に絞ったのが、進むことになるヴィッセル神戸U-18とベガルタ仙台ユースの2つだった。「県外には出たいと思っていて、当時アンドレス・イニエスタ選手だったりが入るニュースがあったし、育成がすごいという話も聞いていたので、神戸に行くことにしました」。

 ただ仙台には諦めきれない人がいたようだ。今回の獲得に尽力した平瀬智行強化部担当部長スカウトが挙げたのは、当時のアカデミーGKコーチだった植田元輝トップチームGKコーチの名前。植田コーチは「一度振られていたので、すごく気にしていた」という。

「我々も一人若いGKが欲しいというところで練習に呼んで、GKコーチもぜひ取ってくださいということだったので獲得させてもらいました」。植田コーチの悲願を叶えた形になり、平瀬スカウトも「一平くんだけ来季は2部練習が多くなると思います」と笑いを誘った。

 高橋自身も覚悟を持って臨む。桐蔭横浜大では先輩にGK北村海チディ(藤枝)、GK西澤翼(磐田)がいたこともあって、トップチームの出場は4年生になってからだった。苦しんだ経験は必ずプロの世界でも生きる。安武亨監督が身体能力の高さと性格の真面目さに太鼓判を押す191cmの長身GKは、「仙台のGK陣はベテランと若手がいて、盗めるものは盗んで追い越してやるぞという気持ちでサッカーがしたい」と意欲的に話した。

(取材・文 児玉幸洋)

●第99回関東大学リーグ特集
●2025シーズンJリーグ特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

「ゲキサカ」ショート動画

TOP