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[球蹴男児U-16]4チームが交互に戦う「チーム沖縄」。那覇西は開幕戦で惜敗も、鹿児島実と互角の戦い

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那覇西高は開幕戦で鹿児島実高と好勝負。FW起用されたMF具志堅洸は前線で運動量を発揮した

[5.3 球蹴男児U-16リーグD2第1節 那覇西高 1-2 鹿児島実高 大津町運動公園多目的B]

 沖縄の代表として勝つ。「2023球蹴男児U-16リーグ」には、沖縄県の那覇西高西原高宜野湾高那覇高の4チームが「チーム沖縄」として参加。交互にリーグ戦を戦い、自分たちのレベルアップに繋げている。今年は単独参加している高校と同様、Division2で10位、11位になれば下位リーグの「挑男U-16リーグ」へ降格。それだけに経験だけでなく、結果も求められるシーズンになっている。

 3日のDivision2開幕戦には名門・那覇西が出場。伝統校の鹿児島実高(鹿児島)相手に互角以上とも言える戦いを見せた。開幕前、那覇西は1年生チームでの準備がなかなかできていなかったという。だが、「自分はプレスの掛け方とかスピード、体力とかは武器」と語る10番MF具志堅洸を本来のアンカーではなく、FW起用。FW松原迅汰との2トップを筆頭としたプレッシングとテクニックで立ち上がりから相手を押し込んだ。

 開始直後に3連続でクロスが上がり、MF池根翔太が右足ミドルを枠に飛ばすなど、明らかに入りが良かった。一方でDFラインがなかなか安定せず、14分に失点。その後も縦パスから決定機を作られたが、セカンドボールを回収し、右サイドで存在感を放つMF石川元淳ら各選手が技術力を発揮。ボールを繋いで押し返す。そして、前半31分、右SB屋富祖和雅のゴールで同点に追いついた。

 後半も推進力のある左SB宮里豪の攻め上がりやMF大城千汰のクロスなどでゴール前のシーンを創出。松原がインターセプトから強烈な左足シュートを枠へ飛ばすなど、勝ち越しのチャンスを作り出した。だが、後半は相手にペースを握り返され、特に終盤はGK金城青空ら守備陣がゴール前で何とか凌ぐ展開。我慢強く守っていたものの、45+4分にセットプレーから決勝点を決められ、勝ち点1には手が届かなかった。

 他の3校からの期待も感じていただけに悔しい敗戦。だが、具志堅は「きょうのプレスとか試合直前に決めたところもあった。(自分は)走れるということで20番(松原)と2トップで掛けるということになって、初めて、ぶっつけ本番でやった割には良かった」と前向き。そして、「みんな試合前ちょっとビビっていたんですけれども、試合入ったらまあまあ。決めるところ決められるように。アップとかからも足元の練習をやっている。もうちょっと試合に出せたら良い」と加えた。

 具志堅は「今年は県外に行っている子が少なくて(那覇西に)国体候補が10人近くいたり、みんなで高めていきたい」とコメント。中学1年時に戦術面を意識して試合を見るようになり、那覇西のサッカーに刺激を受けて進路に選んだ。沖縄でサッカーをしたいという思いも理由の一つ。まずは「球蹴男児U-16リーグ」で沖縄のためにも戦い、「(高校3年間は)県制覇を前提にして、(選手権は)ベスト8が最高成績だと思うので、それを超えられるように毎日の練習からやっていきたい」と誓った。

 その中で、走力とゲームメーク力も特長の具志堅は、「ゲームメークとか雰囲気持ってこれるように」と意気込む。課題のシュートも磨き、マンチェスター・シティMFケビン・デ・ブライネのようなオールラウンダーになることを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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