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[MOM4618]静岡学園GK有竹拓海(1年)_東京V入りした守護神の後継者候補。PK戦勝利へ導く連続セーブ

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静岡学園高の1年生GK有竹拓海(FC東京U-15深川出身)はPK戦で連続セーブ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.27 静岡県高校新人大会準決勝 静岡学園高 1-1(PK4-1)浜松開誠館高 愛鷹多目的競技場]

 21、23年度の選手権でPK戦敗退を喫しているように、静岡学園高にとってPK戦は鬼門。だが、「やってきたことというか、練習はしてたんですけど。あとは自信持って跳ぶだけでした」という1年生GK有竹拓海(FC東京U-15深川出身)が1人目から2連続で止め、チームを決勝へ導いた。

 事前の駆け引きで相手の蹴る方向を予測。「先に動かない、しっかり跳ぶという基礎的なとこは意識して」最後まで相手を見てから跳躍した。1人目のキックを読み切ってストップすると、2人目のPKは横っ飛びしてキャッチ。チームを勢いづけた。

 このPK戦はメインスタンドから見て右側のサイドで実施。有竹はそれに気づかず、主審や相手GKが待つ中で一人逆サイドのゴールへ向かい、PA付近まで行ったところで主審から大声で呼び止められていた。それほど集中していた守護神が、大仕事。ただし、前後半、延長戦のパフォーマンスには全く満足していなかった。

 浜松開誠館高がロングスローを多投して来る中、その対応経験がほとんどなく、立ち上がりはややバタついた部分もあった。だが、ハイボールの強さはストロングポイントの一つ。立ち位置などをすぐに修正し、ゴール前に入って来るボールを確実にキャッチしていた。だが、特に自信を持っていたビルドアップで左足キックが乱れるなど反省のゲームに。PK戦の活躍で勝利に貢献したものの、浅野利紀GKコーチも「試合中のプレーが酷い」と厳しく指摘する内容だった。

 有竹はFC東京U-15深川からU-18チームへの昇格を逃し、浅野GKコーチの厳しい指導や2学年上のGK中村圭佑(3年)から学ぶために静岡学園への進学を決めた。東京Vからのプロ入りを勝ち取り、現在、日本代表のアジアカップサポートメンバーとしてカタールにいる中村は目指す姿だ。

「圭佑君はほんとにチームに絶対的な必要な大黒柱。圭佑君がいるだけでチームが締まる感じだったんで。まず存在感はほんとに凄かった」。中村は2年時から名門の守護神を務め、3年時に大きく成長。現在、先発のチャンスを得ている有竹は今年の目標について、「圭佑君を超えるのもそうですけど、まずはチームのために。自分も成長しつつ、チームも勝てるような、そういう1年にしたい。チームとしても、底上げして、自分も成長してチームに必要とされる存在になりたい」と力を込めた。

 昨夏のフェスティバルでFC東京U-18と対戦し、PK戦で2本を止めて「一回、見返すことができました」。ここから「全体的に成長しなきゃいけない。GKなので、ゴールを守るとかシュートストップして失点しない」ことにこだわりながら、自身の目指す姿に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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