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[MOM4615]青森山田GK鈴木将永(3年)_昨年はPKキーパー、今年は正守護神として…PK戦2本ストップで決勝に導く

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 選手権準決勝 市立船橋高 1-1(PK2-4)青森山田高 国立]

 大会期間中の1月1日に18歳の誕生日を迎えたGK鈴木将永(3年)が、PK戦で2本を止める活躍をみせ、青森山田高を2年ぶりとなる決勝へと導いた。

 後半34分に許したゴールで追いつかれて突入していたPK戦。鈴木はPKの一番手を止めることで、流れを呼び込もうと考えたという。相手が時間をかけてじっくりと蹴ってこようとも関係ない。自分の役割だけに集中すると、相手の一人目で蹴った主将MF太田隼剛(3年)のキックを右に飛んでストップする。

 そして味方が外した直後の4人目。MF岡部タリクカナイ颯斗が蹴ったPKも今度は左に飛んでストップした。「とにかく冷静に入れば止められる自信がある。過去のデータを頭に入れてもうまく行かないと思っているので、自分の感覚を信じてやっています」。大舞台でも最後まで自分を信じることを貫いた。

 鈴木は昨年度大会でもPK戦で勝利に導いていた。昨年度大会3回戦の国見高戦だが、当時は後半アディショナルタイムに登場。いわゆる“PKキーパー”としての出場だった。ただ今年は違う。正守護神として90分間を戦い抜くと、そのままPK戦でもしっかりと存在感を見せつけた。

 鈴木自身も昨年度までの経験が、今の活躍に繋がっていると話す。レギュラー争いをしたGK葛西淳(現常葉大)とは、中学校から5年間切磋琢磨していた。「彼が謙虚でひたむきに努力し続ける姿を、山田中から隣でみてきた」。ライバル関係が今の自分を形作ったと感謝する。

 そして昨年度は戻ることが出来なかった国立競技場のピッチに立てたわけだが、当然、ここで満足することはない。昨年12月に行われたプレミアリーグファイナルとの2冠へ。「チームコンセプトとしても、キーパーの出番がないのが一番いい勝ち方だと思う。自分がこういうプレーをしたいというより、やることを徹底して、その中で準備していきたい」。8日の決勝では“強者の戦い”をみせるつもりだ。

(取材・文 児玉幸洋)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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