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[東京都CY U-17選手権]ショルツと稲村隼翔に突き付けられたトップの基準。FC東京U-18DF松野泰知がキャプテンマークとともに挑む勝負の1年

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FC東京U-18の新ゲームキャプテン、DF松野泰知(2年=横河武蔵野FC U-15出身)

[2.1 東京都CY U-17選手権決勝L FC東京U-18 5-0 FCトリプレッタユース 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 ちゃんとした自信を纏うだけの1年間を過ごせたからこそ、もっと成長しなくてはいけないことも、同時にはっきりと理解している。チームの勝敗を担う責任も、先頭に立ってチームメイトを牽引する自覚も携えて、この世代でも突き抜けた存在へと駆け上がってやる。

「去年はプレミアでも、クラブユースでも、あれだけいい経験をさせてもらって、3年生が残してくれたものは大きいので、今年はそれを知る自分が先頭に立って、チームを勝たせる責任が大前提としてありますし、その気持ちを自分のプレーや戦うところで見せていきたいと思います」。

 数々の貴重な経験を積み重ね、その才能を着実に伸ばしてきたFC東京U-18(東京)のディフェンスリーダー。DF松野泰知(2年=横河武蔵野FC U-15出身)は突き付けられたトップチームの基準をベースに据え、さらなる飛躍の1年へと足を踏み入れていく。


「初戦だったので、もうちょっとみんなも硬さが出るかなと思ったんですけど、雰囲気良く入れたかなと思います」。東京都クラブユースサッカーU-17選手権決勝リーグ。新チームの初戦となったFCトリプレッタユース戦は、松野も言及したように前半12分にチームキャプテンのMF友松祐貴(2年)が先制ゴールをゲット。上々の形でゲームを立ち上げる。
 
 以降はややトリプレッタの勢いに押される時間帯もあったものの、松野はセンターバックでコンビを組んだDF吉田遥翔(2年)とともに堅陣を築き、相手に決定的なチャンスは作らせない。

 その左腕には赤いキャプテンマークが巻かれていた。「自分は今年のゲームキャプテンをやらせてもらうことになったんですけど、もともと試合中は結構喋るタイプなので、今までそういうことを積み重ねてきた結果として、この役割を与えてもらったと思っていますし、キャプテンだから何かを変える必要はないと思っています」。

「ただ、声を出すのであれば責任が伴うので、自分が誰よりもしっかり熱く戦って、そういうところを見せたうえで、周囲にもどんどん声を伝えていければいいのかなと思います。やっぱりキャプテンマークを巻くと気持ちは引き締まりますね」。この日も要所では大声を出し、周囲に確かな熱を伝播させていく。

 結果は5-0で快勝。新体制での公式戦初勝利を手にしたが、「勝てたのは良かったですけど、もうちょっと全体としてやるべきことだったり、チームのボールの動かし方のような細かいところを、もっと合わせないといけないと思います」と課題に目を向けるあたりに、今季に懸ける強い想いが垣間見えた。



 2年生だった昨シーズンは、リーグ開幕時こそサブに甘んじていたものの、初スタメンに抜擢された5節の浦和レッズユース戦で完封勝利に貢献すると、以降はセンターバックの定位置を確保。プレミアの優勝争いや、ベスト4まで進出した夏のクラブユース選手権も経験し、チーム内での立ち位置を不動のものとした。

「自分と同じポジションに(鈴木)楓とか(佐々木)将英とか、世代屈指のセンターバックの人たちがいて、その人たちと1年を通してポジション争いをできたことが大きくて、自分が試合に出ていても、『次は外されるんじゃないかな』みたいな危機感を毎日の練習で持っていたからこそ、気を抜かずに1年間サッカーに取り組めたと思います」。

 U-18でのプレーが評価され、年明けからはトップチームの沖縄キャンプに帯同。2025年の1年間で培った自信を胸に挑んだ2週間だったが、待っていたのはそれぞれが強烈な個性を持っているプロサッカー選手たちが、真剣勝負を繰り広げる“戦場”だった。

「自分が思っていた以上にうまく行かないことが多かったというか、練習1つとっても自分の技術の低さや、判断スピードの差を毎日痛感して、あの2週間で課題も含めて多くのことを得られたので、今は凄くモチベーションの高い状態でサッカーできていると思います」

「ショルツ選手はビルドアップで運べますし、出し手にもなれますし、味方の逃げ道も作ってあげられて、守備のところでもゴール前でやらせない粘り強さが凄かったですし、稲村(隼翔)選手のキックのスピードと軌道は、正直参考にできるレベルではないというか、あれぐらいのストロングポイントを持たないと、J1では通用しないのかなということを学べました」。



 高い基準を体感したからこそ、自分の足りないところを痛感させられたからこそ、成長欲は今まで以上に高まっている。横河武蔵野FCのアカデミーから、青赤のアカデミーに身を投じて2年。このクラブで自らの価値を高め、目指してきたプロの世界へと必ずたどり着いてみせる。

「キャンプでトップチームの選手との差を感じて、本当に悔しい想いをした分、これからはユースの基準ではなくて、トップを基準にやっていきたいと思いますし、自分自身で常に力を上げていきながら、トップの活動にどんどん絡んでいきたいです。

「あとは去年U-17のワールドカップがあって、そのメンバーに入りたいと思いながら、なかなか入れなかったんですけど、年末にU-18の代表のトレーニングパートナーに参加させてもらった時に、『ある程度やれるな』という大きな手応えがあったので、今年は代表の活動や2月にあるJリーグ選抜の活動のメンバーにも、どんどん入っていきたいと思います」。

 自分の成長には、自分が一番期待してきた。まだまだ、もっともっと、進化する余地は残されている。FC東京U-18のキャプテンマークを託された、陸も空も制するハイレベルなセンターバック。松野泰知はこれからも前だけを見据えて、望んだステージへと立つ権利を力強く手繰り寄せていく。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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