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広島、3年ぶりクラブW杯は手負いの初戦突破…3人が負傷交代

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[12.10 クラブW杯1回戦 広島2-0オークランド 横浜]

 3年ぶりに日本開催となったFIFAクラブワールドカップ2015が10日、横浜国際総合競技場で開幕した。開催国代表で、3年ぶり2回目の出場となるJリーグ王者のサンフレッチェ広島は1回戦でオセアニア代表のオークランド・シティ(ニュージーランド)と対戦。前半9分にFW皆川佑介のゴールで先制すると、後半25分にはDF塩谷司が追加点を決め、2-0で勝利した。広島は13日に大阪長居スタジアムで行われる準々決勝でアフリカ代表のマゼンベ(コンゴ)と対戦する。

 広島は5日のチャンピオンシップ決勝第2戦・G大阪戦(1-1)からGK林卓人、DF千葉和彦、DF塩谷司、MF青山敏弘、MF清水航平を除く先発6人を変更。皆川、FW浅野拓磨、MF野津田岳人、MF柏好文、MF丸谷拓也は11月11日の天皇杯4回戦・徳島戦(2-1)以来の先発で、DF水本裕貴は左眼窩底を骨折した11月7日のG大阪戦(2-0)以来の先発復帰を果たした。[スタメン&布陣はコチラ]

 幸先よく先制に成功した。広島は前半9分、右CKから野津田がショートコーナーで青山につなぎ、リターンパスを受けると、PA手前から左足でミドルシュート。相手GKが弾いたこぼれ球を皆川が素早く押し込んだ。

 Jリーグ、ナビスコ杯では今季、計8試合の途中出場にとどまり、得点のなかった皆川だが、天皇杯では2回戦から4回戦まで3戦連発中。天皇杯3回戦、4回転に続いて先発した試合は必ずゴールを奪う勝負強さを見せ、チームにリードをもたらした。

 ところが直後の前半11分にアクシデントが襲う。野津田が右膝を痛め、プレーを中断。タッチラインの外で治療を受け、一度はプレーに戻ったが、すぐにピッチに座り込み、同14分、MF柴崎晃誠との交代を余儀なくされた。

 1点をリードした広島はリスクを冒さず、自陣にブロックを敷いて守備を固め、カウンターで追加点をうかがう。前半42分には塩谷の縦パスを柴崎がワンタッチで流し、柏が右クロス。ゴール前に走り込んだ塩谷がヘディングで合わせたが、GKの正面を突き、前半は1-0で折り返した。

 後半開始早々の4分にまたしてもアクシデント。柴崎がオークランドDF岩田卓也との接触で左膝を痛め、ピッチの外へ。すぐにドクターから×印が出され、同8分、MFドウグラスと交代した。さらに後半15分、清水が右足首を負傷すると、そのままプレーを続けたが、同20分にDF佐々木翔と交代。交代枠3つをすべて負傷で使うことになり、佐々木はそのまま左ウイングバックに入った。

 思わぬ展開を強いられた広島だが、後半25分、右サイドから仕掛けたドウグラスが中央にパス。これをオーバーラップしてきた塩谷が受け、PA内右の深い位置まで進入すると、角度のない位置から右足を振り抜いた。これがDFマルコ・ジョルジェビッチに当たってコースが変わり、ゴール左隅に吸い込まれた。

 苦しみながらも貴重な追加点を奪った広島はオークランドの反撃も落ち着いて跳ね返し、2-0で逃げ切り勝利。3人が負傷交代するアクシデントに見舞われながらも初戦を突破し、準々決勝進出を決めた。3年前は準々決勝で敗れて5位決定戦に回っている広島。初の4強入りを懸け、中2日でマゼンベと対戦する。
(取材・文 西山紘平)

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