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J実行委員は8割が反対…なぜJFAは秋春制移行を提案しているのか

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19日のJ2山形対岐阜の試合も降雪に見舞われた

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は20日、都内のJFAハウスでメディアブリーフィングを行い、秋春制へのシーズン制移行に関する提案の内容と、そのメリット等について説明した。21日に行われるJリーグ理事会では、この提案についても議論される予定だが、今月14日のJリーグ実行委員会では、(1)雪国での練習・試合・観戦等の環境整備(2)リーグ戦開催可能期間が約1か月短くなること(3)移行によるクラブ経営上のリスク(4)年度をまたぐことによるスタジアム使用調整――などを理由に、8割の実行委員が移行に反対の姿勢を示したとされる。

 JFA側は、2022年11月21日から12月18日まで開催されるカタールW杯が行われる2022年からのシーズン移行を提案している。2022年シーズンはW杯前のキャンプ期間などを踏まえ、10月上旬にはリーグ戦を終える必要があり、現在と同じ春秋制の場合、約7か月半の過密開催を強いられ、シーズン後は翌春まで長期間のオフとなる。シーズンを移行する場合、2022年が最適なタイミングであるのは間違いない。

 2022年から秋春制に移行する場合、2021年シーズンを1年半の長期にするか、2022年3月から5月まで特別大会を開催することで“空白期間”を埋める必要がある。Jクラブの経営を考えたとき、この半年の移行期間をどう有効活用するかは検討事項としている。

 秋春制移行の際、最大の問題として挙げられるのが冬場の降雪地域での試合開催だ。ただ、秋春制移行の場合も12月後半から2月前半までは中断期間を設けており、現行のシーズンと比較しても12月に2試合増、2月に1試合増となるだけと主張。何よりシーズン移行によって降雪地域の施設整備を加速させ、雪国に新たなスポーツ文化を創造することにつなげたいとの理念が根底にある。そのため中期的には降雪地域の練習場建設、除雪・融雪施設等の整備、長期的には降雪地域のスタジアム建設を目指し、JFAとしても国や自治体への働きかけ、資金的な援助にも積極的に取り組むとしている。

 Jリーグでは近年、夏場の猛暑の中での連戦による選手のパフォーマンス低下が大きな問題となっている。秋春制にすることで夏場の連戦を避け、試合のクオリティーを高めることにもつながる。また、9月、10月、11月というシーズン後半には国際サッカー連盟(FIFA)の国際Aマッチウィークも入っており、特に11月は今年もルヴァン杯決勝、ACL決勝、リーグ終盤戦という重要な試合と重なった。

 上位クラブや代表選手にとって大きな負担になっているだけでなく、変則日程を余儀なくされることもある。一方、欧州など秋春制のリーグではシーズン終盤の4月、5月に国際Aマッチウィークはないため、代表選手がクラブに専念できるだけでなく、代表戦による中断によって水を差されることもなく、リーグ終盤の盛り上がりに寄与するとも考えられる。代表強化の視点でも西野朗技術委員長は「シーズン終盤のカレンダーを見直さないと日本代表の強化にはつながらない」と指摘する。

 夏休みにあたる7月から8月にかけてはクラブにとって集客の“繁忙期”であるのは確かで、そこで1試合でも多くホームゲームを開催したいというのは経営面で見れば当然の判断だろう。しかし、酷暑の中でのプレーが選手のパフォーマンス、サッカーの質を下げていることも間違いない。それがサッカー観戦の魅力を損なっていくことになれば本末転倒だ。

 Jリーグ側は12月の理事会で最終的な結論を出す方針だが、田嶋会長はあくまで「Jリーグの決定を尊重する」との立場を取っており、21日のJリーグ理事会にも出席し、最終決定までに理解を求めていきたい考えだ。

(取材・文 西山紘平)

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