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「アマチュア版セレクション」…認知度高まるイベントで150人が猛アピール!!

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試合に視線を送る視察チームのスタッフ。東海会場には20チームが訪れた

 1月25日(土)、愛知県の名古屋経済大グラウンドにおいて「合同セレクション」が開催された。主にJFL以下のカテゴリーに所属する選手が翌シーズンの所属先を探すために試合を行ない、視察に訪れたチームが獲得や練習参加の意思を選手に伝える。さしずめ「Jリーグ合同トライアウトのアマチュア版」ともいえるこのイベントは、関西1部リーグのおこしやす京都ACが2010年度から主催しており、近年は関東、関西、東海の3会場で実施。今年度も昨年12月に関東、1月中旬に関西、そしてこの日、東海地区での開催を迎えた。

 選手の参加資格は非常にシンプルで、翌シーズンの所属先(社会人カテゴリー)を探している選手であれば誰でも参加できる。参加選手の数は2013年度からほぼ毎年100人を超えており、今年度も3会場合計で延べ147人が参加(複数会場に参加した選手もいる)。JFLや地域リーグ、都道府県リーグに所属している、あるいは契約満了を迎えた選手が中心だったが、大学4年生、さらには高校3年生の参加も見られた。

 毎年多くの選手がこのセレクションを経て新たな活躍の場を手にしているが、かつて2015年度には原口祐次郎がSP京都(JFL、当時)から藤枝MYFC(J3)へ、17年度にはリ・チェグンがFCコリア(関東2部、当時)から藤枝MYFCへの加入を決めて「ジャパニーズ・ドリーム」を実現させた例もある。また、都道府県リーグや地域リーグのチームを経てJFLへとステップアップを果たしたケースも数多い。

 この日は海外選手を含む28人が参加。3チームに分かれて35分×3本の試合に臨んだが、ピッチ上では様々な思いが交錯した。「この先もサッカーを続けたいという思いで来ました」と話したのは、アンリミテッド鈴鹿(JFL)で契約満了を迎えた田路大樹。ポルベニル飛鳥の倉田大輝はチームが関西1部への昇格を決めているにもかかわらず、自らの意思でチームを離れ「新たなチームを探したい」という決意とともにピッチに立った。山岡龍次郎(大阪経済大4年)、大原俊輔(京都産業大4年)はサッカーを中心に据えたキャリアスタートを渇望し、このチャンスに懸けていた。

 一方で、視察する側の熱も確実に高まっている。チームの数も昨年度が91、今年度も87(どちらも延べ数。複数会場に訪れたチームあり)を数え、この日も地域リーグや上位カテゴリー入りをめざす都道府県リーグの20チームが全国から訪れた。選手たちのプレーに熱い視線を注ぎ、試合後は複数のスタッフで関心を寄せる選手に声をかける姿があちらこちらで見られた。

 7年前から視察を続けているジョイフル本田つくばFC(関東1部)の副島秀治強化部長は「学生や社会人、社会人でも移籍を目指している人など、いろいろな選手を一度に見ることができるのと、視察チームのスタッフの方とコミュニケーションをとれるのもこのイベントのよさ。毎年2~3人はこのセレクションで選手を選んでいます」という。この日が初視察となったはやぶさイレブン(神奈川県2部に昇格)の福島大地GMは「初めて来ましたが、よかったです。自分たちでもセレクションをやりますが、どうしても選手の数やエリアや数が限られてしまうので、たくさんの選手を見られるのはありがたいです」と振り返った。

 選手とチームをつなぐイベントとして、日本サッカーのミドル層で確実に認知度が高まるこのイベント。主催のおこしやす京都AC経営企画部の那口誠氏は「来年度は、東南アジアを中心とした海外クラブのスタッフ視察を呼びかけるなどの新しい試みも視野に入れて、イベント自体をもっと成長させていきたい」と語る。国内最大級のセレクションが今後どのような発展を遂げるのか、注目される。

(取材・文 星野有治)

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