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ワグネル、右でゴールに左でアシスト!首位・柏は6戦13発で最多得点中

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[5.14 J1第11節 新潟0-3柏 東北電ス]

 得意の左足ではなく、右足でも魅せた。柏レイソルの2戦連続3発のゴールラッシュの幕開けは、DFジョルジ・ワグネルだった。前半23分、PA内左で相手のクリアを拾い、利き足とは逆の右足を一閃。丁寧に狙い澄ましたボールは、ゴール右へ綺麗に決まった。

「当てて置きにいったシュート。右足だったので、できるだけ正確にコースを突きたかった。難しい試合で、難しい相手から取れた。チームにとって大きなゴールだったと思う」

 ワグネルの代名詞は左足。ここまで左SBながら2得点を決めるなど攻撃力が抜群だが、いずれも左足だった。今季開幕の清水戦で、柏の今季ファーストゴールを決めたのもワグネルで、左足の直接FK。前節の浦和戦では、左足でミドルシュートを決めていた。新潟守備陣はその“驚異の左”を警戒。得点シーンの際は、みな左足を封じ込めようと位置取っていたが、それをあざ笑うかのように右足で沈めた。「右足の練習? 少しだけ。ほとんど左だけでやっている」と苦笑いを浮かべた。

 もちろん、左足でも魅せた。後半16分、ゴール左遠目からのFK。キッカーを務めたのはもちろん、ジョルジ・ワグネル。ゴール前へ正確無比なクロスを入れ、DF近藤直也のヘディングシュートをアシスト。新潟の焦りを生む2-0リードを導いた。ワグネルは「今のサッカーはセットプレーで得点することが多い。今日みたいな難しい試合は、セットプレーで1発いけると大きい」と胸を張った。

 前節の浦和戦に続く3得点を決め、これで開幕から6試合で13得点とリーグ最多得点を走っている。この日はエースFW北嶋秀朗が4戦連発ゴールを逃し、FW田中順也がシュート0本、MFレアンドロ・ドミンゲスも徹底マークにあいシュート2本で無得点となったが、ワグネルの個人技やセットプレー、そして途中出場のFW工藤壮人のゴールでしっかりと得点を奪った。

 北嶋は「いろいろと揺さぶりをかけながらゴールを奪えた。セットプレーで取れて、こういう試合を勝ち切ったのは大きい。4戦連発は狙ってました。FWとしてゴールできなかったのは悔しいと思う。でも、チームとして取れたのは良かった。新しく入った選手がゴールを決めたのは、いい競争を生む。監督の言うことを、選手全員が理解し、誰が出ても同じようにやれている」とチーム力が上がってきたことを明かした。

 次はアウェーで王者・名古屋と対戦する。ワグネルは「難しい試合になるだろう。だが、我々は勝つことしか考えていない。もちろん、相手を尊重するが、1週間、準備をする機会がある。名古屋を分析して、この試合に最善の準備をしたい」と意気込んだ。左と見せかけて右足のシュート。もちろん、左足でズドン。強敵で、競った試合になればなるほど、ワグネルの“飛び道具”が力を発揮する。

[写真]攻守に活躍した新潟DFワグネル

(取材・文 近藤安弘)

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