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[クラブW杯]田中がブラジルメディアの前で堂々の宣言、「打開力と組織力、どちらが上回るかワクワク」

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 柏レイソルのFW田中順也は13日夜、MFジョルジ・ワグネルと共に豊田スタジアムで行われた公式会見に出席し、14日の準決勝・南米王者のサントス(ブラジル)戦への意気込みを語った。この会見は、FIFA側とクラブ側で相談して人選されたが、FIFA側から「点を取っているし、田中はどうだ?」と“指名”。8日の開幕のオークランド・シティ(ニュージーランド)戦で見せたドリブル突破からの左足シュートなどが“世界にインパクト”を与えたようだ。

 柏はこの日午後3時から練習し、夕食後にミーティングを実施。そこで、サントスの映像を見ながら、ネルシーニョ監督から傾向と対策を伝授された。会見は同日午後9時ごろ、ミーティングを終えた後に行われ、田中は14日に戦うサントスについて「ドリブルのスピードや個の打開力については、パフォーマンスが高くて凄く驚いた。自分たちは個の打開力ではなく、組織でやっていきたい。この『打開力』と『組織力』、どちらが上回るかワクワクしている。映像を見て楽しみになった。この1年、積み上げてきた戦い方が、どれだけ通用するのか、楽しみでしかない」とブラジルメディアを前に力強く言い切った。

 サントスには、FWネイマールやMFエラーノ、そしてMFガンソらブラジル代表などテクニシャン揃い。11日のモンテレイ(メキシコ)戦以上にボールを回されることが濃厚だ。柏は、モンテレイ戦のように田中と工藤壮人の2トップから積極的にプレスをかけ、組織力で対抗しなければならない。

 この日の練習終了直後には、モンテレイ戦の前日と同様、田中と工藤はネルシーニョ監督に呼ばれ、守備面の注意事項を与えられた。田中は「サントスは前の選手は足元はうまいですけど、後ろの選手は意外と足元がなかったりするので、それは狙いどころかなと思います。寄せれば慌てると思う。Jリーグの守備的なチームよりも90分のうちですきがある感じはする。強いのは強いんですけど、中盤がスカスカだったりするので、行けるかもしれないと思わせてくれる展開はあります」と明かした。

 会見では、ブラジルメディアから「サントスは守備に戻るのが遅い。レイソルはスピーディーなチームだが、そこに活路がある考えている?」と質問を受けた。田中は臆することなく「もちろん、そこが大きな活路だと思っている。相手の攻撃をしのいだ後、速いカウンター攻撃を狙うことが、活路になると思う。狙っていきたい。ここまで2試合をやって、そういう攻撃が見せられた。引き続き、そういう試合展開に持っていきたい」と言い切った。

「個人的には、2年前は大学生で、昨年はJ2だった。まさか、世界大会でベスト4という素晴らしい舞台に立てるとは思っていなかった。監督をはじめ、ジョルジやレアンドロとか、チームを引っ張ってくれた人に感謝している。こういう舞台で、サッカーを楽しめるように頑張りたい」。田中に気負いやプレッシャーはない。再び“黄金の左足”で世界を驚かせる。

[写真]ワグネルとともに会見に臨んだ田中。ブラジルメディアを前に堂々とした振る舞いだった

(取材・文 近藤安弘)

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