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U-19代表候補合宿、得点力向上へ期待の白崎がゲーム練習で2発!

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 13年のU-20W杯を目指して千葉合宿中のU-19日本代表候補は13日午前、約20分間のポゼッション練習と11対11のゲーム形式練習などを行った。選手同士の距離感や守備時にパスコースを限定するポジショニングについてなど、吉田靖監督が何度か試合を止めながら行ったゲーム形式練習(1本目25分、2本目10分、3本目7分)では、清水のルーキーFW白崎凌兵が2得点。J7クラブの争奪戦の末に清水入りした白崎が不在だった昨年のAFC U-19選手権予選(U-20W杯アジア1次予選)では、タイと韓国に無得点に抑えられているだけに、得点力向上へのアクセントとなるか注目が集まる。

 ビブス黄色とビブス赤色とに分かれたゲーム形式練習。MF大島僚太(川崎F)とMF熊谷アンドリュー(横浜FM)のダブルボランチ、右MFに田鍋陵太(名古屋)、左MFに野津田岳人(広島ユース)、4バックが右から川口尚紀(新潟ユース)、岩波拓也(神戸U-18)、遠藤航(湘南)、山中亮輔(柏)、2トップに白崎と近藤貫太(愛媛ユース→慶應義塾大)を配置(GKは4選手の交代制)したビブス黄色のチームが、この合宿で徹底的に取り組んでいるポゼッションの成果を示した。1本目8分に大島が絶妙なアングルで出したスルーパスから近藤が左足でゴールへ押し込むと、14分には遠藤からのくさびのパスを白崎がダイレクトで落とし、野津田がスルーパス。再び受けた白崎がカバーに入ったDFを右足アウトサイドでのコントロールで外し、そのまま右足シュートをゴールへねじ込んだ。

 さらに2本目1分には左サイドで白崎のポストからディフェンスラインを縦に突破した野津田がPAまで突進。そして野津田からのパスを右中間で受けた田鍋がゴール左隅へ流し込む。そして4分には吉田監督も賞賛したプレー。左サイドで行き場を失いながらも安易にバックパスを選択することなく、つないでボールを保持すると、熊谷がDFの隙を逃さずに逆サイドへ展開する。これを右サイドの田鍋が頭で折り返すと、胸トラップでGKをかわした白崎が右足で2点目のゴールを決めた。3本目は、ビブス黄色は近藤と田鍋に代えて、2トップの一角を和泉竜司(市立船橋高→明治大)、右MFを杉本竜士(東京V)へスイッチ。ただ追加点は奪えず、逆に4分、ビブス赤色がMF原川力(京都)のループパスからMF廣田隆治(岐阜)の右足ボレーで1点を返して終了となった。

 今回のU-19候補合宿は先月のキリンチャレンジ杯アイスランド戦で日本代表に選出されたFW久保裕也(京都)が不在。その中で高卒新人ながらJ1清水ですでに出場機会を得ている白崎が練習とはいえ、得点力とチャンスメーク能力の高さを示した。白崎は昨年のチーム結成当初からエース候補のひとりとして期待されながら、怪我のためにほとんど代表での活動をしていない。U-20W杯のアジア1次予選もメンバー外だったが、局面を打開するドリブル、パスなど武器は多彩。「きょうは2点取れた。ひとつは自分の得意な形から取れたのもあるし、いいんじゃないかなと思います。攻撃でリズム作れたと思うし、リズム作りながら、最後自分が中に入っていくというところをやっていければ。エスパルスに入って、しっかりエスパルスの代表としてやらなければいけないという意識も出てきたと思う。頑張ります」という白崎は、合宿最終日の14日に行われる流通経済大、千葉との練習試合へ向けて「決めます」と言い切った。

 攻撃面では昨年のアジア1次予選で課題となったプレッシャーの中でもボールを保持すること、相手のブロックを崩すことを改善するために徹底的に行ってきたポゼッション練習が効果の兆し。そして注目の白崎はチームの個の部分を引き上げるべく、3日間の合宿で自分自身を周囲に認めさせて、その存在を確固たるものにする。

(取材・文 吉田太郎)

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