井手口陽介「試合に出ていない自分を拾ってくれた」地元福岡に“恩返し”のルヴァン杯制覇!!
[11.4 ルヴァン杯決勝 福岡 2-1 浦和 国立]
元日本代表MF井手口陽介がルヴァン杯決勝で90分間走り抜き、地元のアビスパ福岡に史上初のタイトルをもたらした。試合後には「試合に出ていない自分を拾ってくれて、来た時からありがたく感じていた。少しでも恩を返したい気持ちがあった。それが今日、一つ叶ったかなと思う」と喜びを語った。
かつて日本代表の一員としてロシアW杯出場に大きく貢献した井手口は昨年1月、ガンバ大阪からスコットランドの名門セルティックに完全移籍。2年半ぶりに海外挑戦を決断したが、負傷もあって出場機会を得ることはできず、1年間でリーグ戦3試合、カップ戦3試合の出場にとどまっていた。
特に2022-23シーズンに入ってからは前半戦で1試合の出場機会も得られず、そこに声をかけたのが地元の福岡だった。
今年3月、加入直後のJ1第3節・柏戦で右足関節外果骨折の重傷を負い、負傷離脱を強いられる厳しい船出となったが、6月の復帰後はリーグ戦のレギュラーに定着。ルヴァン杯でもU-21枠で出場していたMF森山公弥に後半から代わる形で出場を続け、決勝進出に貢献していた。
そうして迎えた決勝戦ではプライムステージ初めての先発出場。ボランチが本職のMF前寛之がシャドーで起用された中、森山とダブルボランチを形成した。
この日の福岡は浦和の右サイドを警戒するため、相手の攻撃を左サイドに誘導。そうした中では右ボランチの井手口が数的不利の対応を迫られる場面も続いたが、さすがの対応力で縦のパスコースを埋めたり、積極的に奪いに出たりと、逃げ切り態勢に入っていたチームの中で存在感を放っていた。
そうして掴んだルヴァン杯優勝のタイトル。井手口は「この1年は福岡でしっかり試合に出て、アビスパのために自分の100%の力を出していきたいと思っていた。ここまで来られて良かった」と手応えを口にした。
セルティック時代とは異なり、試合に出続けることで、完全復活の兆しを見せている。「最初に試合に出してもらった時よりは身体も動くようになってきているし、アビスパのやりたいサッカー、戦術も自分に落とし込めていて、うまくハマっていると思う」。またそのパフォーマンスの原動力になっているのは昨季経験した試合に出られない苦しみだ。
井手口は「もどかしい時間、悔しい気持ちをうまくサッカーにぶつけられたんじゃないかと思う」と現状を見つめつつ、「向こうに行って1年で帰ってきてしまったけど、すごく試合をしたいという思いが強かった。最初に怪我をして3か月くらい離脱していたけど、いまはその思いを晴らせていると思う」と言い切った。
自身の現状については「もっと前に行く回数を増やしたり、シュートまで行ったり、守備でももっと潰せるシーンはあるので、そういうところがまだ課題かなと思う」と満足していない。ただ、試合を重ねるにつれて自信を取り戻しつつあるのは間違いない。
2019年末のEAFF E-1選手権を最後に離れている日本代表復帰への思いも「もちろんあります」と井手口。現在の日本代表はMF遠藤航、MF守田英正、MF田中碧のほか、この日対戦したMF伊藤敦樹(浦和)も含めてボランチの層が厚くなっているが、「すごくハードルは高いと思うけど、常に良いパフォーマンスをし続けられればと思う」と意気込みを語った。
(取材・文 竹内達也)
元日本代表MF井手口陽介がルヴァン杯決勝で90分間走り抜き、地元のアビスパ福岡に史上初のタイトルをもたらした。試合後には「試合に出ていない自分を拾ってくれて、来た時からありがたく感じていた。少しでも恩を返したい気持ちがあった。それが今日、一つ叶ったかなと思う」と喜びを語った。
かつて日本代表の一員としてロシアW杯出場に大きく貢献した井手口は昨年1月、ガンバ大阪からスコットランドの名門セルティックに完全移籍。2年半ぶりに海外挑戦を決断したが、負傷もあって出場機会を得ることはできず、1年間でリーグ戦3試合、カップ戦3試合の出場にとどまっていた。
特に2022-23シーズンに入ってからは前半戦で1試合の出場機会も得られず、そこに声をかけたのが地元の福岡だった。
今年3月、加入直後のJ1第3節・柏戦で右足関節外果骨折の重傷を負い、負傷離脱を強いられる厳しい船出となったが、6月の復帰後はリーグ戦のレギュラーに定着。ルヴァン杯でもU-21枠で出場していたMF森山公弥に後半から代わる形で出場を続け、決勝進出に貢献していた。
そうして迎えた決勝戦ではプライムステージ初めての先発出場。ボランチが本職のMF前寛之がシャドーで起用された中、森山とダブルボランチを形成した。
この日の福岡は浦和の右サイドを警戒するため、相手の攻撃を左サイドに誘導。そうした中では右ボランチの井手口が数的不利の対応を迫られる場面も続いたが、さすがの対応力で縦のパスコースを埋めたり、積極的に奪いに出たりと、逃げ切り態勢に入っていたチームの中で存在感を放っていた。
そうして掴んだルヴァン杯優勝のタイトル。井手口は「この1年は福岡でしっかり試合に出て、アビスパのために自分の100%の力を出していきたいと思っていた。ここまで来られて良かった」と手応えを口にした。
セルティック時代とは異なり、試合に出続けることで、完全復活の兆しを見せている。「最初に試合に出してもらった時よりは身体も動くようになってきているし、アビスパのやりたいサッカー、戦術も自分に落とし込めていて、うまくハマっていると思う」。またそのパフォーマンスの原動力になっているのは昨季経験した試合に出られない苦しみだ。
井手口は「もどかしい時間、悔しい気持ちをうまくサッカーにぶつけられたんじゃないかと思う」と現状を見つめつつ、「向こうに行って1年で帰ってきてしまったけど、すごく試合をしたいという思いが強かった。最初に怪我をして3か月くらい離脱していたけど、いまはその思いを晴らせていると思う」と言い切った。
自身の現状については「もっと前に行く回数を増やしたり、シュートまで行ったり、守備でももっと潰せるシーンはあるので、そういうところがまだ課題かなと思う」と満足していない。ただ、試合を重ねるにつれて自信を取り戻しつつあるのは間違いない。
2019年末のEAFF E-1選手権を最後に離れている日本代表復帰への思いも「もちろんあります」と井手口。現在の日本代表はMF遠藤航、MF守田英正、MF田中碧のほか、この日対戦したMF伊藤敦樹(浦和)も含めてボランチの層が厚くなっているが、「すごくハードルは高いと思うけど、常に良いパフォーマンスをし続けられればと思う」と意気込みを語った。
(取材・文 竹内達也)