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2アシストで福岡に初タイトルもたらした紺野和也、移籍初年度のルヴァン杯制覇に「恩返しできた」

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2アシストで勝利に貢献したMF紺野和也

[11.4 ルヴァン杯決勝 福岡 2-1 浦和 国立]

 自身2度目のルヴァン杯戴冠でも、その重みは3年前とはまったく違っていた。アビスパ福岡のMF紺野和也が2アシストでチームの全得点を演出。クラブに初のタイトルをもたらした。

 前半5分、右サイドからドリブルで仕掛けると、対峙したDF荻原拓也の逆を突いて縦に突破し、利き足とは反対の右足でグラウンダーのクロス。これをMF前寛之が押し込み、先制点を奪った。

「あのシーンが今日1回目の1対1で、左を切っているなというのがあった。思い切って右に行って、速いボールを通せばゴールになるかなと」。立ち上がりの先制点で「チームとしても個人としても余裕が生まれた」と落ち着いて試合を進め、前半アディショナルタイムには貴重な追加点もアシストした。

 セットプレーの流れから右クロスが逆サイドにこぼれてきたところを紺野が拾うと、MF岩尾憲との1対1から縦に仕掛け、左足でクロス。これが岩尾の股間を抜け、DF宮大樹が左足で蹴り込んだ。

「左サイドだったので、縦に行ってGKとDFの間を狙うか、股抜きか直前まで迷って、股抜きのほうが通りそうだなと思って、股抜きを選択して、宮くんがうまく合わせてくれた」

 前半を2点リードで折り返すと、浦和の反撃を浴びた後半は22分に失点。直後の後半25分、紺野は足をつってピッチに倒れ込み、そのまま担架で運び出された。終盤は「ベンチから頼むからしのいでくれと思って見ていた」とチームメイトに託し、2-1の逃げ切り勝利。自身の2アシストで福岡に悲願の初タイトルをもたらし、「少しは貢献できたのかなと思う」とはにかんだ。

「アシストでチームに貢献できたのはうれしいし、チーム全員で戦って優勝できたことがうれしい」。法政大からFC東京に入団したプロ1年目の2020年シーズン。ルヴァン杯決勝で柏を2-1で破った国立の舞台で、ルーキーの紺野はベンチ入りしたもののピッチに立つことはなかった。

 当時のことは「そんなに気にしてなかった。今日は今日と考えていた」というが、3シーズン過ごしたFC東京から完全移籍で加入した移籍1年目でのタイトル獲得に「福岡ではみんなが信頼して多くの試合で使ってもらっている。結果で応えたいと思っていたし、一つ恩返しできたのかなと思う」と喜びを噛み締めた。

(取材・文 西山紘平)
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西山紘平
Text by 西山紘平

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