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浦和対策ズバリ!練習通りの2発に指揮官を絶賛、福岡FW山岸祐也「シゲさんは予言者。名将です」

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福岡FW山岸祐也

[11.4 ルヴァン杯決勝 福岡 2-1 浦和 国立]

 Jリーグ屈指の両センターバックと渡り合った。1トップで先発したアビスパ福岡のFW山岸祐也は前半5分、相手ゴールキックをDF奈良竜樹が頭で跳ね返したクリアボールをワンタッチで落とし、MF前寛之が右サイドに展開。MF紺野和也の仕掛けからゴール前に走り込んだ前が先制点を奪った。

 ポストプレーで先制点の起点になった山岸は「試合前から自分がカギになると思っていた」と言う。浦和の強みであるDFアレクサンダー・ショルツ、DFマリウス・ホイブラーテンの両センターバックに対し、自分が競り勝てるか。「それができて点も取れた」。先制後も前線で体を張り続け、劣勢の展開でもポストプレーで時間をつくって攻撃のリズムを生んだ。

 浦和の強力なセンターバックに対してはチームとしても十二分に研究していた。「速いクロスというのはずっと練習していたし、レッズの狙いはあそこだとずっと言っていた」。前半5分の先制点も前半アディショナルタイムの2点目も、いずれも紺野の低くて速いクロスから。山岸は「2枚が強いのでクロスを上げるにしても、あの2枚の前にマイナスに上げるか、速いボールを入れて事故を誘うか。この1週間はクロスの練習でも速いボール、速いボールというのを意識していた」と明かした。

「シゲさん(長谷部茂利監督)は予言者だなと。浦和対策でずっとその練習をしていた。名将ですよ」(山岸)。浦和対策について長谷部茂利監督は「常に分析してくれる分析班がいて、彼が相手の弱点を分析し、それを選手ができるか練習で試している」と指摘。「次は防がれると思うが、今日は分析した人間と、それを実行した選手がつながった試合だったと思う」と両者を称えた。

 山岸自身は2-0で迎えた後半13分に痛恨のPK失敗。ゴール左を狙ったキックはGK西川周作にキャッチされた。「魔物がいた。いつもなら右に蹴るのに、蹴る瞬間、勝手に左に蹴っていた」。チームはその後1失点し、終盤は浦和の猛攻に耐える展開。後半44分にベンチへ下がっていた山岸は「俺のミスをみんなでカバーしてくれて、みんなに感謝しかない。次はリーグ戦で俺がみんなを助けたい」と、冷や汗をかきながらの初タイトル獲得に苦笑いだった。

(取材・文 西山紘平)
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西山紘平
Text by 西山紘平

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