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U-23日本、イタリア追い詰める

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[5.27 トゥーロン国際大会 U-23日本 0-0(PK4-5) U-23イタリア フランス]

 トゥーロン国際大会(フランス)出場中のU-23日本代表は現地時間27日(日本時間28日午前)、U-23イタリア代表と対戦した。相手の猛攻に耐えた日本は細かいパスワークから相手のゴールに迫るなど健闘。0-0でPK戦にまで持ち込んだが、4-5で敗れた。日本は現地時間29日、U-23コートジボワール代表と3位決定戦を戦う。

 初の決勝進出へ向け、4-5-1の布陣をとった日本のGKは西川周作(大分)。4バックのCBは前戦のチリ戦に続き青山直晃(清水)と水本裕貴(G大阪)のコンビ。右SBが中村北斗(福岡)で、左SBにはチリ戦で右SBを務めた森重真人(大分)が入った。中盤は本田拓也(清水)と青山敏弘(広島)のダブルボランチ。右MFは梶山陽平(F東京)で、左MFが本田圭佑(VVV)、トップ下が谷口博之(川崎F)、1トップは森本貴幸(カターニア)が務めた。

 前半3分、谷口が思い切った右足ミドルを放った日本だが、その後は「イタリアの小さな至宝」と評される左MFジョビンコを中心としたイタリアの猛攻にゴールを襲われる。4分にはジョビンコの左FKからDFモッタにゴール目前で合わせられた。7分には中盤でのパスミスをジョビンコに奪われ、そのまま決定的な場面を作られた。パススピード、人の動きともに段違いに速いイタリアは、守備から攻撃に転じるたびにアタッキングエリアへと侵入。特にジョビンコは抜群のボールコントロールと鋭いドリブルで左サイドから再三決定機を作り出していた。
 一方の日本は20分に森本がDF裏を突き決定的なチャンスを得た。さらに25分には左サイドから森本らが絡み、谷口がPA内へ侵入。角度のない位置から放った強烈な左足シュートがゴール右ポストをかすめた。1トップの森本に集めたボールがなかなか収まらず、効果的な攻撃を作ることができない日本だったが、それでも対面のジョビンコに食らいついた中村や青山直ら守備陣の粘り強い守りで前半を0-0で終えた。

 迎えた後半、日本が流れを変えた。中盤の選手が前を向いてプレーする場面が増え、1タッチを交えたショートパスを5本、6本とつなぐ場面もあった。セカンドボールも日本に転がりだし、前半ほとんど見られなかった2次、3次攻撃など、人数をかけて相手ゴールへと迫った。14分にはセットプレーから右サイドの本田拓が決定的なボレーシュートを放つ。さらに19分には梶山のスルーパスを相手DFが中途半端なバックパス。そのボールに鋭く反応した森本が右足でゴールへ押し込もうとする。だがこのシュートがGK正面をつくなど、得点するまでには至らない。
 対してイタリアは同24分、後半決定機を数度逃していたFWオスバルトに代え、MFアバーテを投入。この快足ウイングが日本に傾いていた流れを再びイタリアへと引き寄せる。28分には自陣から右サイドを約80m独走。得点機を作り出すと、32分にも圧倒的なスピードで対面の森重をかわし、FWカンドレバへ完ぺきなラストパス。ただ、このヘディングシュートはゴールのわずか左へ外れ、イタリアも得点することができない。
 日本は試合終盤、FWエスクデロ・セルヒオ、MF水野晃樹とアタッカーを投入するが、得点には結びつけることができず。イタリアも後半ロスタイムにアバーテとジョビンコの鮮やかな技と発想でDFを崩し、この日最大とも言える決定機を作り出した。だが、日本は本田拓が間一髪クリア。0-0でPK戦へと持ち込んだ。
 PK戦では後攻めのイタリアの5人全員が、落ち着いて決めたのに対し、日本は4人目の水野のキックがGKに止められ4-5で敗戦。優勝候補のイタリアを追い詰めた日本だったが、トゥーロン国際大会初の決勝進出はできなかった。

(文 吉田太郎)

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