beacon

A代表発表、岡田監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加
 日本サッカー協会は1日、8日のアジア杯予選・香港戦(アウスタ)、10日のスコットランド戦(日産ス)、14日のトーゴ戦(宮城ス)に臨む日本代表メンバー28人を発表した。
以下、岡田武史監督の記者会見要旨

岡田武史監督
「先月にオランダ、ガーナと海外遠征で試合をして、以前からこの遠征がチームにとって大きな転換ポイントになると思っていたが、ここからどういう方向に強化していくかを実感する大会で、予想通り、いい成果を得られた。
 ここまではチーム全体の強化に重点を置いていたが、ここからはいろんな状況に応じた層の厚さや選手の発掘を考えないといけない。残り10分で点を取りたいとき、残り10分で勝っているとき、ゴール前を固められたときにサイドを崩せる選手といったいろんな状況をこの3試合でシミュレーションして、強化しながらも新しい選手を試していきたいと考えている。
 この3試合を踏まえて、来月の南アフリカに連れて行くメンバーを選び、強化していきたい。今回の相手のことはあまり分からないが、我々のいいところを出して、もちろんホームなので、勝つことにこだわってやっていきたい」

―GKを3人選んだが、1人1試合ずつ起用するのか?
「だれをどう使うかは、集まってキャンプをしてから、コンディションを考えて決めるが、平等に1人1試合ずつ使うと決めているわけではない」

―山本、岩下、石川ら初めて呼ぶ選手の選考理由は?
「森本も初めてじゃないかな(笑)。山本に関しては、実績のあるGKが3人ケガをして、どうせなら将来性のある選手を試してみたいと思った。山本海人はJリーグでも失点が少なく、パフォーマンスも安定しているので、代表に1回呼んでみようと思った。
 岩下は前から能力があるのは分かっていたが、ちょっと安定感がないかなと思っていた。ただ、ここのところはずっと安定していて、長いボールのフィード力も高い。ヘディングも強いし、ボール際でつぶす力もある。CKからの得点力も高い。闘莉王に似たところもあるので、ケガの場合のことも考えて1度試してみたいと思った。
 石川直については、中盤の攻撃的な選手がケガで手薄で、松井も本調子ではなくて、来てみないと分からない部分もある。どうしても点を取りたいときに、中、中に行くパサーが多い中でアウトサイドで勝負できる、点の取れる選手をずっと探してきた。香川がケガ持ちで、無理させたくないということもあり、石川直には是非チャレンジしてほしいと思っている。
 森本も初めてになるが、あまり生では見ていない。テレビで見ることがほとんどなので。ただ、点を取る部分やクロスに入る迫力、ゴール前の動き出し、裏への動き出しの速さがいいんじゃないかと。点を取ることを期待して選んだ」

―香港戦は公式戦になるが、どういう試合をするか?
「香港というチームはちょっと今までと変わった。監督も韓国人に代わって、メンバーも代わった。かなりやるな、というか、そんなイージーな試合じゃないと思っている。我々もベストを尽くさないといけない。(練習が2日間と)準備期間も短いので、ある程度気心の知れたメンバーの組み合わせでやる。ある程度今までの戦い方を知ったメンバーで戦っていこうかなと今の時点では考えている」

―その後のスコットランド戦、トーゴ戦については?
「スコットランド戦は中1日の試合になるので、香港戦に90分出た選手を使うことは考えていない。親善試合で無理をしてケガ人が出ることは避けたい。遅れて合流する選手(鹿島、川崎F勢)も混ぜて、香港戦に出ていない選手で戦う。トーゴ戦はそれまでの2試合を踏まえて、現状のベストメンバーで戦うが、もちろん、試合の流れで試してみたいと思っている選手がいれば使っていきたい」

―スコットランド、トーゴというチームの印象は?
「スコットランドはW杯予選で敗退が決まって、メンバーもはっきりしない。我々としては予選を通って来て欲しかったが、監督はそのままのようだし、戦い方は変わらないと思う。シンプルにつないで外からクロスを上げてくるサッカー。我々のやってきたことが間違っていないという確信を持っているので、同じように戦っていきたい。
 トーゴはカメルーンとのW杯予選が終わったら、そのままのメンバーで来てくれると聞いている。コンディションはベストではないかもしれないが、ガーナ戦で出た問題点、ロングボールへの対処という部分の対策ができればと思っている」

―当初は10月の3連戦には欧州組を呼ばないと話していたが、考えが変わったのか?
「それは聞き間違いだと思う。僕は9、10、11月の年内しか海外組を呼べないから、この3回は海外組を呼んでテストしたいと話していた。年が明けて1月のアジア杯予選はインターナショナルマッチデーだが、日程がきついので海外組は呼べない。そうするとW杯直前の5月まで呼べなくなるという話をしたはず。気はまったく変わっていない」

―久々の招集となった徳永、佐藤寿人については?
「ファーストランクのチームとやったとき、フィジカルの強さが求められる。DFならどこでもできるし、フィジカルも強い徳永にもう一度チャレンジしてもらいたいと思った。
 寿人は、最後の10分でどうしても点が取りたいというとき、彼のゴール前の動き出しの鋭さ、感覚は他の選手にはない凄いものがある。点をたくさん取る選手はいるが、(その中には)こぼれ球とかを入れている選手が多い。寿人の場合はこぼれ球より自分でつくり出している点が多い。これまでは興梠を呼んでチャンスを与えてきたが、なかなか結果が出なかった。興梠は若いし、これから日本の中心になる選手だが、一度、寿人にチャレンジしてもらおうと思った」

―新しく呼ぶ選手はなかなかチームのコンセプトに追いつけない印象があるが、ある程度枠外のスペシャリティーな能力を求めるのか?
「サッカーは簡単に割り切れるものじゃないし、僕は全員に同じことを期待したいと思っている。戦術は大事だが、サッカーではそれがすべてじゃない。戦術を理解しないとサッカーができないかというと、そんなことはないし、サッカーはシンプルなもの。僕のコンセプトも難しいことではない。そういう意味では今まで呼ばれていない選手が遅れているとは思わない。お互いに知り合うプレーの癖とか、そういう面では、日頃やっている選手の方が先に進んでいるかもしれない。ただ、僕のコンセプトにしても、聞けば、ああそうかと思ってできることなので、その中で1回でも2回でも息の合うプレーが出ればいいと思っている。新しく呼んだ選手にはスペシャリティーだけを求めているわけではなく、チームの一員になってほしいと思っている」

―平山相太は候補に挙がっていたのか?
「今までいた選手で落とした選手については話しても、今まで呼んでいない選手についてコメントするのは不適切だと思う。そうでないと、何百人にコメントしなければいけなくなる。呼んでない選手にコメントするつもりはないし、ここに名前のあるメンバーが僕の必要としているメンバーだということです」

―16年の五輪招致が明日決まるが、何かエールがあれば。
「東京五輪の招致は、我々とまったく関係ないわけではない。もしメーンスタジアムができれば、日本サッカー協会の目指すW杯招致も現実性が高くなる。サッカー界をあげて、招致が成功することを祈っているし、私も祈っている。ただ、鳩山さんが行くから、私が何か言わなくても大丈夫だと思ってます(笑)」

(取材・文 西山紘平)
※ゲキサカ完全連動のサッカー誌『FOOTBALL NIPPON VOL.18』は本日1日発売!!詳細はコチラでチェック!!

「ゲキサカ」ショート動画

TOP