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[MOM462]法政大FWディサロ燦シルヴァーノ(3年)_後期爆発へ騒ぐカルチョの国の血

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FWディサロ燦シルヴァーノ(3年=三菱養和SCユース)が前半27分に先制点を決めた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.16 関東大学1部L第12節 筑波大1-2法政大 味フィ西]

 先制点が大事。お互いに強い思いを持って臨んでいたゲームだったが、それを叶えたのは法政大だった。前半27分、MF森俊貴(2年=栃木ユース)から送られたボールに反応したFWディサロ燦シルヴァーノ(3年=三菱養和SCユース)がボールコントロールから左足ジャンピングボレー。ふわりとしたシュートになったが、ボールはゴールネットに吸い込まれていった。

「先制点を取られると相手に余裕を持たれると思ったので、こっちから仕掛けて、アグレッシブにいった。先制点を取ろうと話している中で先制点が取れたので良かった。俊貴が頑張って折り返してくれた。体勢は無理やりだったけど、打つしか頭になかったので、入って良かったです」

 チームはディサロのゴールで奪ったリードを守り抜くことが出来なかったが、後半20分のDF森岡陸(1年=磐田U-18)の決勝弾によって、2-1で勝利した。総理大臣杯決勝で優勝を決めるゴールを奪ったFW上田綺世(1年=鹿島学園高)に続く1年生の活躍に「また持っていかれた」と冗談めかしく笑ったディサロだが、「でも勝ったので良かった。筑波大への苦手意識はなくなりましたね」と会心の勝利に胸を張った。

 ディサロはイタリア人の父親と日本人の母の間に生まれた。サッカーはインテル好きの父親の影響で始め、「インテルの試合を見させられていた」ことから、今でもバリバリのインテリスタだ。「インテルでプレーすること。レアルとかバルサでなくインテルでやりたい」。夢は明確。眼差しは常にイタリアサッカーに向けている。

 大学サッカーからインテル。やはり意識しているのは、インテルの55番、日本代表DF長友佑都の存在だ。「あの人に3回くらい会っている。インテルの練習場にも見に行っているし、あの人が明治大の時も、チームの練習場が隣だったので見ていた。FC東京の時も養和にイベントで来てくれたことがあって、その時も会っている」。「会ったことがある」程度だが、「勝手に縁を感じている」と笑った。

 スキーンヘッドの風貌から放つ抜群の存在感。汎発性脱毛症は小学校6年生の時に発症した。今では改善されているが、「これで知られているのでこれで行こうかなと思っています」と剃髪を続けているという。その存在感は後期リーグ戦の大会プログラムの表紙を飾るほどで、関東大学サッカー界を引っ張る顔としての役割も担う。「有難いこと。期待に応えるためにも結果を残し続けないといけない」。

 結果。前期は右足首の負傷の影響もあり、1得点を挙げるにとどまった。とても満足いく数字ではない。「連勝すること、負けないことがリーグ戦は大事」とチーム第一を誓うディサロも、「自分も連続得点がしたい」と自らの爆発がチームの結果に直結すると分かっている。思うような結果が残せなかった前期の悔しさは必ず晴らす。「目標のゴール数は2桁。アシストは5」。後期リーグ戦の爆発へ。潜在的に流れるカルチョの国の血が騒ぐ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

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