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浦和内定の京都橘FW木原励が会見で意欲。「日本を代表するチームで、日本を代表するサポーターの前で早くプレーしたい」

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浦和レッズ内定の京都橘高FW木原励(左)と浦和の西野努TD

 来季からの浦和レッズへの加入内定が発表されている京都橘高FW木原励(3年)の加入内定会見が19日、京都市伏見区の同校で行われた。会見には木原、京都橘の米澤一成監督と安田文彦校長、浦和の西野努テクニカルダイレクター(TD)の4名が出席した。

 浦和が高体連出身の高卒FWを獲得するのは、実に18年ぶり。西野TDの「力強さ、プロの激しさに慣れて貰えれば、時間がかからずに活躍してもらえるんじゃないかと思ってます」という評価からも、チームとしての期待の大きさが感じられる。複数のJクラブから注目されたストライカーが来季から、ACL優勝経験を持つクラブに加わる。

 FW小屋松知哉(現鳥栖)を筆頭に多くのストライカーを育ててきた米澤監督が評価するのは、能力の多彩さ。「中学校の時のプレーを見た感想は、バランスの取れる選手だなと思った。よくスペースや人を見てサッカーができる選手だなという印象がありました。技術的な所もスピード面、フィジカル面、サイズ感も含めて全てオールマイティに兼ね揃えていた。高校でより速く、強く、プラス彼の特徴である賢さが伸びれば、本当に良い選手になるんじゃないかなと思っていました」。

 高校入学後からAチームに加わり、同年度の選手権のベンチ入りも経験した木原の転機となったのは高校2年の夏。2トップを組んでいたFW西野太陽(現徳島)が不在の間に、エースとしての自覚が増し、ストライカーとして大きく成長。同じ期間に練習試合で得点を量産する姿が長山邦夫スカウトの目に留まり、今年4月には初めての練習参加を経験した。この時は、水戸とのエリートリーグにも出場したが、本人は「プロの強度やスピード感に付いて行くのに必死でした。シュートチャンスも1回あったのに、決められなかった。まだプロにはなれないという気持ちがありました」と振り返る。

 インターハイ予選が終わった6月には2度目の練習参加を経験。リカルド・ロドリゲス監督を筆頭としたスタッフから厳しく評価される中で、ストライカーとしての力や将来性を買われて、獲得が決まった。

 現役時代、DFとして数多くの名FWと対峙してきた西野TDが評価するのは、考えてプレーできる頭の良さ。「僕らはインテリジェンスと言うのですが、相手の裏をかくとか、狙い所を凄く評価しています。現役時代もやはり、強くて速い選手は嫌な相手でしたが、それよりも相手の一瞬の隙を突いたり、DFの間を一瞬のタイミングで突いてくる選手が凄く嫌で、たくさん点獲っていました。プロに入ってから、もう少し力強さを身につけて貰いたいと思いますが、しっかりと頭を使って相手の嫌な所を突いていく所を期待しています」

 レッズへの加入を決めた夏休みには、1か月間に渡って練習に参加。「ボールが凄く出てくるので、ここに行ったら出てくるだろうとか、このスペースを使ったら活きるんじゃないかというのはいうのを感じて、凄く楽しかった」と振り返る木原は、2度目の出場となったエリートリーグでゴールもマークした。「強度はまだまだ足りないと感じましたが、最後の方は受け方とかスペースの使い方は凄く上手くなった実感はありました」と課題も口にするが、フィジカルの部分も含めて伸びしろは多く残しており、これから大きく羽ばたく可能性は十分にある。

「試合を観戦して、真っ赤に染まった埼玉スタジアムでプレーすれば、どれだけ楽しいのかなとか、ゴール決めれたらどれだけ嬉しいんだろうという気持ちを持ちました。試合も凄く面白いですし、日本を代表するチームで日本を代表するサポーターの前で早くプレーしたい」

ミスターレッズと称された福田正博を筆頭に、永井雄一郎、田中達也(現新潟)、興梠慎三、武藤雄樹(現柏)ら浦和の歴史は、日本人ストライカーと共に築かれてきた。来年以降は、木原がストライカーの伝統を引き継ぎ、埼玉スタジアムに歓喜を呼び込んでくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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