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小林!阪田!大迫!2戦目で個の良さと連係面発揮したU-17日本高校選抜が3-0快勝!

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後半22分、U-17日本高校選抜はMF大迫塁(神村学園高2年)がゴール。アシストのMF阪田澪哉(東山高2年)と喜ぶ

[11.26 Jヴィレッジドリームカップ U-17日本高校選抜 3-0 横浜FCユース Jヴィレッジ]

 高校1、2年生のタレントたちが個の良さとチーム力も発揮して快勝――。U-17日本高校選抜は26日、大会を想定したトレーニングキャンプとして実施されている「Jヴィレッジドリームカップ」第2戦で横浜FCユースと対戦。3-0で快勝し、成績を1勝1敗とした。

 始動2日目で迎えた初戦(25日)はアクシデントもあり、時間を掛けて準備してきていた好チーム・U-16福島県選抜に0-2で敗戦。それでも、後半に掛けて内容を向上させていたU-17日本高校選抜は、蒲原晶昭監督(佐賀東高)が「最初は上手くいかなくて当たり前だし、急造チームでどっちにしても明日以降上手くいくのは間違いないから自信を持っていこう」と言葉掛けしていた通り、第2戦ではより内容を向上させて、結果に繋げた。

 4-4-2システムのU-17日本高校選抜はGK藤澤芭琉(徳島市立高2年)、4バックは右SB鈴木大翔(尚志高2年)、ゲームキャプテンのCB新谷陸斗(東山高2年)、CB河合侑馬(徳島市立高2年)、左SB保田成琉(阪南大高2年)。中盤は真田蓮司(東山高2年)と大迫塁(神村学園高2年)のダブルボランチで右MF阪田澪哉(東山高2年)、左MF木村匡吾(岡山学芸館高2年)、2トップは小林俊瑛(大津高2年)と香西銀二郎(立正大淞南高2年)がコンビを組んだ。

 対戦した横浜FCユースは高校1、2年生中心の構成。前日はU-16日本代表候補相手に真っ向勝負を挑んでボールを繋ぎながらチャンスを作る部分や、押し込まれた後も守り切る力を示していた。だが、U-17日本高校選抜は立ち上がりからハイプレスを敢行。相手を飲み込みにかかる。

 5分、右サイドを攻め上がった鈴木の折り返しから香西が狙うと、7分には河合の左足ミドルがクロスバーをヒット。横浜FCユースもゲーム主将のDF國枝蒼空(1年)中心に守り、中学3年生MF笹歩睦らが相手を見ながら繋いで攻め返そうとする。だが、U-17日本高校選抜は21分、大迫が右足ダイレクトで左オープンスペースへ大きな展開。木村がクロスを入れると、最後は小林がコントロールから左足で押し込んだ。

 前日の試合で負傷したキャプテンのFW福田師王(神村学園高2年)やMF堀川大夢(流通経済大柏高2年)を欠く中で先制点。U-17日本高校選抜は24分にも大迫のスルーパスから香西が折り返し、小林がゴールへ押し込む。これはオフサイドの判定となったが、その後も高い位置でボールを奪い返し、真田と大迫のダブルボランチが高い技術で速く、正確にボールを展開するなどペースを握り続ける。

 大迫が「初戦はなかなか準備する時間がなくてコミュニケーションも取れていなかったんですけれども、今日の午前のトレーニングからみんなで声を掛けながらできたかなと思います」と説明するU-17日本高校選抜に対し、横浜FCユースもMF木村恵允(1年)がドリブルで仕掛けるなど攻め返していた。だが、U-17日本高校選抜は新谷や藤澤を中心とした後方の守りも安定。保田が抜群の高さを発揮するなどそれぞれの良さを出し、1-0のまま前半を折り返した。

 後半、U-17日本高校選抜はGKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高2年)、CB宝納拓斗(佐賀東高2年)、MF江川楓(瀬戸内高2年)、FW福田秀人(米子北高2年)を投入。立ち上がりは横浜FCユースがテンポを上げたが、U-17日本高校選抜は3分、小林のシュートのこぼれ球を狙っていた阪田がGKをかわして左足シュートを流し込む。

 その後も宝納、新谷から攻撃を組み立て、阪田のスピードを活かした崩しや江川のミドルシュートなどで追加点を狙う。横浜FCユースは13分に右WB飯塚大地(1年)がPKを獲得。これを左WB水木康誠(1年)が左足で狙うが、U-17日本高校選抜GKデューフが読み切ってキャッチする。デューフは直後にも笹のミドルシュートをファインセーブ。逆にU-17日本高校選抜は21分にドリブルで持ち込んだ大迫の左足シュートがファーポストを叩く。

 そして22分、右サイドで前を向いた小林がスルーパス。阪田が中央へ折り返すと、ファーストタッチでDFを外した大迫が右足シュートを決めて3-0とした。その後、右SB大川佳風(流通経済大柏高2年)、MF碇明日麻(大津高1年)、FW小関晴人(丸岡高2年)を送り出したU-17日本高校選抜は、横浜FCユースFW許田新太(2年)にクロスバー直撃のミドルシュートを打たれるシーンもあった。だが、今大会初出場の大川や福田秀が運動量と積極性を維持。小関がスピードを活かしてゴールへ迫り、碇もゴール前への飛び出しを見せるなど攻め続けて3-0で試合を終えた。

 U-17日本高校選抜は合宿3日目でそれぞれの特長を把握。GKデューフは「最初に比べてみんなコミュニケーションが取れたりしていて、中で話していたし、給水の時とかもみんなで話し合っている時とか多かったので、だんだん仲が深まっている感じがありました」と感想を口にする。各選手の良さを周囲が引き出す試合に。またビルドアップや前からの守備など戦い方が整理され、それをピッチで表現していた。

 28日の最終戦では逆転優勝を懸けて、1勝1分で首位のU-16日本代表候補と対戦。阪田は「日本代表というだけでも自分たち絶対に勝ちたいというのもありますし、一個下なんで負けられない」と言い切る。所属チームのリーグ戦が佳境を迎えている中、成長を目指して集まってきている1、2年生たちが貴重な経験を得るだけでなく、結果も残して活動を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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