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日本代表コンフィデンシャル by 寺野典子

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アスリートの宿命
by 寺野典子

 U-16日本代表に続き、U-19日本代表もアジア予選を突破し、来年のW杯出場権を獲得した。
 昨年アジア一次予選前には、一次予選で敗退するのではないかと言われていた両チームだったが、U-19の対サウジアラビア戦(11月6日)のロスタイム弾に象徴されるような粘り強さで予選を突破できたことが頼もしい。U-19代表には梅崎司(大分)や内田篤人(鹿島)などすでにJリーグでも試合経験を積んでいる選手が多く、U-16でも柿谷曜一郎(C大阪)はプロ契約をしているし、若年層の成長の速さを感じずにはいられない。
 過去日本はU-17世界大会に3大会出場している。その選手たちの中で、W杯に出場した経験を持つのは、7名だけだ。各大会のメンバーが20名だとすれば、約10分の1ということになる。貴重な国際経験を積んだ若い選手たちが、そのままA代表の戦力になるとは限らないのだ。
「選手の成長っていうのは、人それぞれのスピードがあるものだと思う」と語るのは中田浩二。
 02年、06年のW杯メンバー入りした中田だが、98年のアジアユースではベンチ入りだけで一試合も出場していない。ちなみに同じ年の坪井慶介は代表候補にすら選ばれたことがない。そして、この大会に出場しながらも現在Jリーグでベンチを暖めている選手も当然存在する。選手としてのピークがいつなのか、それは誰にもわからないし、早熟のまま消えていった選手も少なくない。
 アスリートは現役としてプレーし続ける限り、常に生き残りを賭けた競争を戦うこととなる。そういう厳しい日々をいかに生き抜くことができるか? これもまたアスリートとしての才能なのかもしれない。

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