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日本代表コンフィデンシャル by 寺野典子

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オシムジャパンの06年
by 寺野典子

 06年の日本代表の活動がすべて終了した。

 1月下旬に宮崎で始まった合宿のことは本当に昔のことのような気がする。

 W杯前、ジーコジャパンの4年間の変貌を頭の中で整理するのは意外と簡単だった。選手の入れ替えが少ないこともその原因だろう。しかしW杯が終わり、新しい代表が始まった今となってはジーコのジャパン、最初の数ヶ月(いわゆる02年)の印象は薄い。ジャマイカ戦に引き分け。アルゼンチンに破れた2試合しか闘ってないのだからしょうがない。

 そして4年後の06年。新しく始まったオシムジャパンは、前回は免除だったアジアカップ予選もあり、7試合を消化した。過去の代表に比べれば異例の試合消化だろう。しかも佳境を迎えたリーグ戦やアウエイ戦もあり選手のコンディションなど、厳しい状況だったかもしれない。

 指導すべきことはたくさんあるのに、時間がない。そんな状況でもあった。

 それでも選手たちは手探りながらも一歩一歩前進を続けているように思う。

 だからこそ中身の濃い数ヶ月でもあった。

「練習でやっていることや自分たちがやろうとしていることを試合で出せるようになった」と7試合全ての試合に出場した鈴木啓太はガーナ戦後そう語っている。そして最後の試合となった11月15日のサウジアラビア戦後、PKを与える結果とあったミスを悔やんだのち、「自分たちのクオリティというものも多少上がってきたと思う。時間帯によっては、非常に良い形でスムーズに攻撃が出来ていたし、人も動くサッカーというのは少しずつ出来たかなと思う」と話した。

 代表でトレーニングを積む時間は少ない。だからこそ。多難ではあったが多くの試合を消化したことが今後にいい影響を与えてくれることに期待したい。欧州組合流がスムーズに行くのかも気になるところであるが、2010年W杯直後の数ヶ月をどう感じるか、今から楽しみだ。

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