beacon

蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

このエントリーをはてなブックマークに追加

学ぶべきこと
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

先頃終えた欧州遠征により世間で多く聞かれる世界との差、皆さんの目にはどう映ったでしょうか。
オランダには0-3の完敗、ガーナには代表戦では4-3で久々というか、簡単には思い出せない位のミラクル逆転勝利をあげたわけですが、逆転勝利よりもオランダに完敗した事や、
ガーナから取られた点のインパクトが大きすぎて、勝った事よりちょっとした差なんだろうけど、改めてその差を埋めるという事の難しさを感じさせられました。

そしてそれとは別にちょっと面白いなと思ったのが、オランダ戦ではオーバーペースも手伝い足が止まってしまってから失点して敗れたのが大方の見方でした。
そしてガーナ戦では相手の足が止まってからゴールラッシュをあげて勝利する事が出来たのですが、敗れた試合では『走れないんじゃ勝てる訳ない』という意見が多く聞かれ、勝った試合では『相手の足が止まってからの逆転だから参考にならん』という意見が出てきました。

走れなくなり負ければ叱咤し、相手が動けなくなったチャンスにあげた点は実力とは言い難いと叱咤する、どこのひねくれた頑固親父だという感じで、微笑ましい世論だなと思っていましたが、僕はこの姿勢は正しいと思います。なぜなら日本はサッカー途上国であり、まだまだ上を目指せるはずだから結果オーライではなく、突っ込みどころがあればどんどん突っ込んでいく事はとても大事な事だと思う。そういった自分達に厳しい姿勢で臨めるのは間違いなく日本人の長所の一つでもあるからです。

ドイツW杯後にキーワードのように多く出た『日本人らしいサッカー』『走るサッカー』オシム、岡田両監督でアプローチの仕方は違うものの、走るという事を大前提にしたサッカーという点には共通点も少なからずあると思います。オランダ戦の前半は走る事による守備で抑える事ができたし、得点シーンの3手手前位まではいけていた。しかし後半はガス欠による失速でボロボロ。
ここで思い出されるのが前オシム監督が言っていた『考えて走る』。
これにはペース配分の事も含まれると思う。不本意な形で去る事になった前指揮官が残してくれていた言葉にも、まだまだ大切な学ぶべき事が沢山あるんだろうなと感じる。

今は岡田監督政権だからといってオシム監督が残していってくれた物にホコリをかぶせてしまうのはあまりにも勿体無い。勿論、オシムだけではなくジーコやトルシエ、それ以前の監督達も含めて積み上げていくのが日本サッカーの歴史を作っていく事になるはずです。良き所は素直に学ぶ、これは選手だけではなく監督も考えなければいけない点だと気づいていかないといけないですよね。

オランダの指揮官は小野伸二選手が在籍していた頃のフェイエノールトの監督でした。当時はスカパーでみる事が出来たのでほぼ毎試合見てましたが、選手は揃っているのに万年三位で、いつも選手交代とか当たらないし正直なんでこの監督なんだろうと思っていたものですが、対日本戦では交代ずばりだし、W杯予選でもしっかり結果残してるし、僕が言うのもあれですが監督っていうのもすごく成長できるものだなと感じました。

犬飼会長が岡田監督で本番まで戦うと言ったからには、本番までに岡田監督自身にも成長してもらう事を期待したいです。(オランダ戦は采配面でも完敗だったと思う)
それからオランダ戦の影のMVPと呼べるのがこの試合の主審をつとめた方だと思う。
というのは前半でフラストレーションからか極めて悪質なファールをしたスナイデルを退場にしなかった事。
おそらく公式戦では一発レッドものだったが親善試合という事でイエローにしてくれたんだと思う。
そのおかげで最後まで11対11でのゲームが出来、なおかつ試合は90分でやるという事を関係者のみならずファンも再認識できた。今回日本が経験したかった事は10人相手にどう戦うかという事ではなかったはずなので、あの主審には空気読んでくれてありがとうと伝えたい。
これで本番までの代表強化試合スケジュールで、(現在発表されているものでは)オランダクラスとやれる機会はもう無かったと思いますが、今回の敗戦を選手だけでなくファンも忘れないよう進んで行きたいですね。

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

TOP