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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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レッズ
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

浦和レッズが下したフォルカー・フィンケ監督の続投という決断には正直ビックリしてしまった。

今季改革を掲げ多くの若手起用や、新たなサッカースタイルに着手していった浦和ですが、今年の序盤に見せていた躍動感のあるサッカーはドンドンと停滞していき、泥沼連敗劇を演じたうえに、天皇杯ではあろう事かはるか格下のチームに完敗してしまった。

今季は見守る姿勢を貫こうとしていたサポーター達も堪忍袋の尾が切れてしまったようで、アウェイのスタジアムで二時間も居座るというあまり褒められた事ではない行動に出てしまった。
常識で考えれば運営している所が違うのだから、居座れば居座るほどスタッフや職員なども帰れないわけで、しかもその職員達は浦和の人間ではない。埼玉スタジアムでならチーム関係者全員が一緒になって残り話し合いなどをするべきだと思うが、この時ばかりはそういう判断も出来ないほど深い絶望感を持ってしまったのではないでしょうか。

サポーターがこういう行動に出てしまった時の責任はチームに向けられる。
しかしこういう行動を誘発してしまっているのがチームの方針や結果である事は見逃せないと思う。

僕の考えとしては、昨年までのストロングポイントが闘莉王選手といった個人の状況から、豊富な運動量で全員がボールに絡んで行くサッカーを目指すのはとても魅力的だし、現代サッカーの理想であると感じます。
なのでチームスローガンとしては引き続きその方向を目指して欲しいのですが、そう考えた時にフィンケ監督じゃないと駄目な理由がわからない。浦和がタイトル常連になった時の監督、ギド・ブッフバルトは超一流のモチベーターでした。とにかく選手を気持ちの入った状態で試合に臨ませていた。しかし戦術家かというとそうでもなかった。家族の事情で勇退した後には、その勝者のメンタルへ戦術的な上乗せを目指していく事でオジェックが呼ばれたが、いまいち成果をあげる事ができずチームは毎年のお家芸のように、選手はマスコミへ不満を漏らし、サポーターは試合後に怒りを爆発させる。

怒りや不満のさらに上を行くほど熱く、負けた時は選手やサポーターよりも下手したら悔しいんじゃないかと思わせてくれるが、サッカー観に関しては揺るがないものをクレバーに備える。そんなキーワードにあてはまるような人物が浦和には向いていると思う。
戦術家だけでも駄目だし、情熱家だけでも駄目。非常に難しいがそれだけの人物でないと、浦和で一番ワールドクラスなのはサポーターと言われてきた状況から、浦和というチームがワールドクラスだと言われるとこまでは導けないんじゃないかなと思います。

しかしながらフィンケ監督と来年もやると決まったからには、チームとしてぶれずにやって頂きたい。オジェック監督が解任された時の反省は是非生かして欲しいですね。来季は恐らく主力選手の中からも移籍する選手が出てくると思うが、先手を打って補強なりしないと毎年が土台作りになってしまい、ズルズルと降格圏内にいってしまう事もJリーグや世界のサッカーを見れば証明されている。

前節を終えるまでは首位との勝ち点差は6、まだ5試合も残っていたのに逆転優勝を目指すコメントが監督や選手から出てこないのはあまりに寂しい。今季鹿島がここまで崩れると思った人はいなかっただろうし、過去には浦和も奇跡の逆転負けくらってタイトルを持って行かれたのを忘れてほしくはないですね。

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想、「ワクワク」の答えはこちらまでお寄せください。

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