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ピッチに恋して by 松原渓

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Jリーグ再開
by 松原渓

Jリーグは中断期間を終えて先週、待ちに待った再開♪

ワールドカップの熱い1カ月間の余韻醒めやらぬこの時期、「Jリーグのレベルアップなくして日本代表のレベルアップはなし」という認識を新たにした今こそ、初めてスタジアムに足を運んだお客さんに「熱い応援を肌に感じながら緊張感あふれる試合を観にスタジアムに足を運ぶ」ことの面白さを知ってもらい、輪を広げていかなければいけない。そういう意味でもまさに今、Jリーグの腕の見せ所ですね!

南アフリカから帰ってきた代表組も出場した注目の再開初日、水曜日に等々力で行われた川崎F×大宮アルディージャ戦に行ってきました。

スタジアムにはリールセSK(ベルギー)移籍が決まった川島選手と、ボーフムへ(ドイツ2部)の移籍が決まったチョン・テセ選手の姿がありました。そして、この試合ではフロンターレの攻守を支えてきた2人の柱の穴をどう埋めるのかに注目しましたが・・・
結果は0-0。

両チームとも慎重な試合運びで全体に運動量が少なく、何より残念だったのは、会場を沸かせるシュートが少なかったこと・・・守備が良かったことよりも攻撃の迫力のなさが目立ち、物足りなさが残るスコアレスドローでした。フロンターレは攻守の要である中村憲剛選手と稲本選手が前に上がる場面がほとんどなかったことがチームの不調を決定づけていたのかもしれませんが・・・0-0のまま迎えた残り5分、ゴール前でフリーで受けた黒津選手が決めていればという場面・・・あまりに決定的なシュートミスでした。ショック混じりに静まった会場の空気・・・怖かったです
※フロンターレはジュニーニョ選手という頼れるストライカーが復帰間近ですが、黒津選手にはぜひ今回のミスを挽回してもらいたいですね!

一方のアルディージャは手数をかけないシンプルな攻撃からチャンスを作ったものの、シュートまでは持ち込めず。ラファエル選手の大きなストライドから繰り出されるドリブルは迫力がありましたが、ゴール前では味方を意識しすぎるあまり、シュートを忘れてしまったようにも見えました。

試合後は、川島選手とチョン・テセ選手の激励セレモニーが盛大に行われました。
試合後15分が経ってもほとんどのお客さんが席を立たなかったのは、2人がいかに愛されていたかを物語っていました。
やがて、グラウンドをゆっくりと横切って、時間をかけて言葉を選びながらサポーターに丁寧な感謝を告げた2人に、この日一番の大きな拍手が送られました。日本代表のゴールマウスを死守した守護神と、初出場のワールドカップで世界にその名を印象づけた北朝鮮代表ストライカー。川崎が誇る2人の代表戦士。
チョン・テセ選手の涙にはぐっときました。ワールドカップでの国歌斉唱の涙は印象的でしたが、ストレートな感情表現を隠そうとしないテセ選手は、より試合に感情移入させてくれました。
試合中は目を合わせただけでひれ伏してしまいそうな川島選手の強力な目力も、この時ばかりは行き場のない寂しさを漂わせていました。アウェイの大宮サポーターも「大宮発川崎経由世界行き 戦えエイジ」(01年~03年まで大宮に所属)の幕を掲げて送り出します。
高い志を持ち続けることの大切さを「結果」という形で示し続けてくれた2選手に、今後も大いに期待しています。

他にも、長友佑都選手、香川真司選手、内田篤人選手などが海外組として新シーズンに向け飛び立ちましたが、国内では闘莉王選手(名古屋)が決勝ゴールをアシスト(1-0)、大久保選手(神戸)は後半ロスタイムで負け試合を引き分けに持ち込み(2-2)、遠藤選手(ガンバ)も試合終了間際に逆転ゴール(3-2)を決めるなど、代表組が大いに期待に応えてくれましたね♪


最後に、今月開幕した「もうひとつのワールドカップ」についても触れたいと思います。
それは、7月13日から8月1日まで、ドイツで行われている女子U-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)。
16チームが参加して開催されるこの大会で日本はグループリーグでメキシコ、ナイジェリア、イングランドと同じC組。
初戦のメキシコ戦は、2-3の1点ビハインドで迎えた試合終了間際にエース・岩渕真奈選手のゴールで引き分けに持ち込みましたが、2戦目のナイジェリア戦は1-2で敗戦(得点は岩渕選手)。2試合を終えて勝ち点1と後のない日本は、21日(水)、GL突破の最後の望みをかけてイングランドと対戦します!
アジアからは日本と共に韓国と北朝鮮が出場していますが、アメリカ・ガーナ・スイスと同組の韓国はスイスに4-0、ガーナに4-2と2連勝。スウェーデン・ブラジル・ニュージーランドと同組の北朝鮮はなんとブラジルを破り(1-0)、こちらも2連勝中でともに決勝トーナメント進出は確実。アジア代表として共に戦う良きライバルに日本も負けていられませんね。なでしこジャパンの妹分として、この世代も着実に世界との距離を縮めてもらいたいと願っていますが・・・21日のイングランド戦は運命を分ける一戦となりそうです。頑張れなでしこ妹~!!☆

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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