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ピッチに恋して by 松原渓

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J1第15節・F東京対磐田
by 松原渓

J1第15節 FC東京×ジュビロ磐田@国立・・・26534人

今週はミッドウィークに国立で行われたFC東京×ジュビロ磐田戦に行ってきました。
平日ながら子どもたちは夏休みに入り、国立競技場のスタンドにも家族連れの姿が目立ちました。

この日も晴天で、バックスタンドの上には綺麗なおぼろ月。
猛暑が続くこの時期に中2日の連戦と、選手にとってはハードな日程ですが、夏の夜の国立での試合観戦は子どもたちにとってはきっと心がウキウキするような夏休みの一大イベントなのでしょう♪

4試合負けなしと好調のFC東京(11位)。一方、ジュビロ(13位)も前節は王者アントラーズに2-3と敗れたものの、FC東京との勝ち点差はわずかに2という状況で迎えた一戦。
ジュビロは前節、鹿島から2ゴールを奪った攻撃陣が好調で、前半から押し気味に進めるも、権田選手の好セーブもあり、決定的なシュートを決められず。

前半をスコアレスで折り返すと、試合が動いたのは後半6分。大黒将志選手がすばやい動き出しで相手の裏をつき、味方のロングボールを引き出すと、丁寧なヘディングで逆サイドネットに突き刺しFC東京が先制!しかし、その4分後、CKでフリーになった那須選手が決めて(判定はオウンゴール)、ジュビロもすかさず振り出しに。
その後は一進一退。
ジュビロはサイドのジウシーニョ選手が作るタメと、サイドバックの駒野選手の高精度のクロスが利いていた一方で、FC東京は左サイドで森重選手と鈴木達也選手と赤嶺選手の見事なトライアングルからの攻撃や梶山選手のピルロ(ACミラン)ばりのスルーパスなど、見所はあったもののゴールは生まれず、試合は1-1のまま終了。

FC東京は、ホームで7試合連続のドロー、言い換えれば7試合未勝利。
ただ、長友選手がイタリアに移籍した直後で、石川直宏選手は体調不良で2試合連続で先発を外れ、ボランチの徳永悠平選手も怪我で欠場という難しい状況で、試合内容も押しこまれていたことを考えれば、悪くない引き分けと言えるのかもしれません。
そんな中で目を引いたのは、森重真人選手のボランチ起用。センターバックのイメージが強いですが、前節、湘南戦でゴール前に駆け上がって豪快なヘディングシュートを決めた形は、闘莉王選手(名古屋)と重なります。4年後のワールドカップに向けて、期待するセンターバックの一人です。そして、FWにはインパクトのあるあの選手の名前が。最近のFC東京で気になる存在と言えば、なんと言っても大黒将志選手。経営難の続くヴェルディからレンタル移籍先のJ2・横浜FCでは20試合で12ゴールと結果を残し、この度FC東京にレンタル移籍。(J2の得点ランキングは未だに大黒選手が1位)。5月に30歳を迎えた大黒選手ですが、ゴールへの嗅覚は衰えるどころか増している印象です。インパクトのある金色 のサラサラヘアーは変わらず、すでに赤と青のユニフォームがしっくりきています。この、新しいユニフォームを違和感なく着こなせる「能力」は誰にでも与えられるものではなく、その選手が歩んできたサッカー人生と無関係ではないでしょう。大黒選手と言えば、やはり「裏を狙う動き出しのタイミング」。それは、あらゆるタイプのパサーと組むことで磨かれてきたのでしょうし、久しぶりにそのプレーを見て改めて「生かされ方を知っている」選手だなぁと感じました。

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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