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ピッチに恋して by 松原渓

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Fリーグ:町田対府中
by 松原渓

先週は久しぶりのFリーグに行ってきました☆

毎回試合が荒れるほど熱いというペスカドーラ町田×府中アスレティックFCの"東京ダービー"。

昨シーズンから新規参入した府中は昨年は13連敗を喫するなど、シーズンを終えて最下位という厳しい1年目となりましたが、2年目の今年は開幕から好調を維持し、特に3節からは4連勝で3位につける好スタート。
一方、町田は昨シーズンは2位で終える華々しいシーズンを送ったものの、今シーズンは4敗2分、未だ勝ちなしと絶不調。

直接対決では3戦全敗(リーグ戦)と圧倒されている府中はダービー初白星を飾る願ってもないチャンス。

試合は町田ペースでスタート。
7分には稲田祐介選手のゴールで先制し、10分にも相手のオウンゴールを誘ってリード。しかしその後、ジュニオール監督(町田)曰く「不要な」ファウルが増え、与えた第2PKを府中は伊藤雅範選手が立て続けに決めてすかさず同点に。すると、前半終了間際には上澤貴憲選手のビューティフルボレーで府中があっさり逆転。前半終えて3-2。白熱したシーソーゲームの予感はズバリ的中しましたが、まだまだ終わらないのがこの東京ダービー!

ベテラン選手が多い町田は丁寧につなぐ遅攻が多く、一つ一つのパスの成功率は高いものの逆に勝負するパスやシュートが少なく、ゴール前では個人技頼み。なかなかゴールの匂いがしません。この流れを変えたのがピヴォ(トップ)のジャッピーニャ選手でした。ゴール前へのフリーランを繰り返す積極性がラストパスを引き出して2ゴール、残り2分で今度は町田が1点リード!

一気に攻めに出た府中に対し、町田が攻撃から守備に重心をシフトしたのは必然にも思えました。

そして、ラスト1分。
府中の猛攻を凌ぎきり、このまま町田が逃げ切るかと確信したのですが……まだ甘かった!

残り38秒で、ボールを持ったのは上澤選手。ゴール前で再三身体を投げ出していた町田のクリアのこぼれ球に走りこみ、思いっきりシュート!・・・と思いきや、なんとこれがフェイント。私も完全に騙されました(汗)このシュートモーションに、2人の選手が倒れこんでブロックに行ってしまった町田。上澤選手はこれを軽やかに交わし、ひとつドリブルを入れて、今度こそ正真正銘のシュート。鋭い弾道がゴール左隅に決まり、府中が土壇場で執念の同点弾!!

1点のリードを決死のスライディングで守ろうとした町田の必死のディフェンス。その勝利への執念を冷静にコントロールし、ひとつ先を読んだ上澤選手のプレー。あの場面で、あの冷静なフェイントを選択できるなんて…鳥肌ものでした☆
上澤選手が日本代表でも代えの利かない選手である理由がよく分かるプレーでした。

勝ち点1を積み重ねた府中は暫定2位に。
一方、前回の試合に続き、土壇場で勝ち星を逃した町田は最下位に…。 キャプテンの金山友紀選手、前身のカスカヴェウから続く名門チームを支えてきた甲斐修侍選手、同じくカスカヴェウでプレーし、今シーズンから復帰した市原誉昭選手、稲田祐介選手、また日本代表のキャプテンとして世界を戦った経験を持つ藤井健太選手、Fリーグ初年度得点王の横江怜選手ら、メンバーの豪華さは王者・名古屋にも引けを取らない町田。

勝ち方を知っている選手が多いだけに、浮上のきっかけを掴むタイミングに注目したいと思います。

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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