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ピッチに恋して by 松原渓

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J1第27節・F東京対新潟
by 松原渓

J1第27節
FC東京×アルビレックス新潟@味の素スタジアム・・・23074人

降格圏ギリギリの厳しい戦いが続いているFC東京は、前線の決定力不足が顕著に表れてしまいました。
ボールはアルビレックスが支配したものの、カウンターからよりゴールに近づいたのはFC東京。出場停止明けの10番・梶山陽平選手が中盤で攻守のバランスを取りボールを捌き、起点になります。しかし、頼みの大黒選手は持ち味である裏に抜ける動きにキレがなく、トラップミスやシュートミスでチャンスを生かせず。大熊監督の期待が窺える平山相太選手も、CKからの決定的なヘディングシュートはことごとくGK正面。SBの椋原選手はユース代表のアルビレックスSB酒井高徳選手と闘志むき出しのマッチアップで会場を沸かせましたが、両サイドは互いに良さを消し合う形に。

一方のアルビレックス。アウェイまで足を運ぶサポーターの多さと応援の一体感は、いつ見ても好感度が高いです。10位と順位はふるわないものの、4位までとの勝ち点差はわずか「6」で、ACL圏内は十分に狙える位置。主力が復帰し、前節首位名古屋に4点を奪って勝った勢いそのままに、果敢に先制を狙いに行きます。話は逸れますが…名古屋戦で華麗なるスーパーボレーを決めた三門雄大選手のゴールは素晴らしかったです☆今季の私のベスト5ゴールにランクイン!

さて、そのアルビレックスは、攻撃ではマルシオ・リシャルデス選手に一度当てて展開。キープ、ドリブル、シュート、FKと多彩なプレーで攻撃をけん引するその圧倒的な存在感は現在のJリーグのトップ下で一番輝いているようにも思えます。しかし、チョ・ヨンチョル選手、ミシェウ選手、大島選手の前3人は、それぞれ個人技はあるものの“囮“になる動きが少なく、攻撃に人数をかけているにも関わらずフリーな状態で受けられる選手がいないというもったいない状況でした。
しかし、プレッシャーの弱い中盤ではショートパスでリズムを作り、ペナルティエリアギリギリまでパスを選択する余裕は、勝っているチームらしい勢いも感じさせました。

FC東京は前半44分、マルシオ・リシャルデス選手に直接FKを沈められ、0-1。失点直後、チーム全体から覇気が目に見えて失われたのは気になりました。
しかし、後半16分に平山選手が倒されPKを獲得、これを10番がしっかりと決めて振り出しに戻すと、ゴール裏の声援も迫力を増し、一気に形勢挽回。29分、31分と立て続けにチャンスを作ると、平山選手―石川選手のホットラインが機能するなどようやくチームの形が出始めます。しかしここで「決める」選手がいないのがもどかしいところ…。すると、なんと試合終了間際、途中出場のリカルジーニョ選手が一発レッド+PKを献上。…まさかの2試合連続の逆転負け?と目を覆いたくなるようなピンチでしたが、この最大の窮地を救ったのはまたしても権田選手!
マルシオ・リシャルデス選手の蹴ったコースを完全に読んで止め、ザッケローニ日本代表監督も注目する守護神がチームに勝ち点1をもたらしました。
止めた後のドヤ顔は冷静そのもので、闘志を内に秘める楢崎選手タイプ?今後さらなる大物になる予感がします☆

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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