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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ロナウド引退記念試合でブラジル、ルーマニアに1-0
by 藤原清美

6月7日
親善試合
ブラジル1-0ルーマニア
サンパウロ、エスタジオ・ド・パカエンブー

<ブラジル出場メンバー>
GK:ヴィクトル
DF:マイコンルシオ(ルイゾン)、ダビド・ルイスアンドレ・サントス
MF:サンドロ(ルーカス・レイバ)、エリアス、ジャジソン
FW:フレッジ(ロナウド→ニウマール)、ネイマール(チアゴ・ネービス)、ロビーニョ(ルーカス)

 サンパウロ(ブラジル)で7日、ブラジルが親善試合ルーマニア戦を戦い、1-0で勝利した。

 この試合は、ブラジルにとって、7月に開催されるコパアメリカの前の、最後の実戦の場。選手選考とチーム作りのための、大事な1戦だ。しかし、この試合にはもう1つ、大きな意味があった。それは、元ブラジル代表、今年2月に現役を引退したロナウドの、セレソン引退記念試合として開催されたのだ。

 試合前日にセレソンに合流したロナウドを、チームメイト達は歓迎した。一緒にプレーした世代の選手達は、しみじみと思い出を語ってくれる。特に、セレソンの末っ子だった頃、とりわけロナウドにかわいがってもらったのは、ロビーニョ。

「ロナウドにはいろんなことを教わった。ピッチの中では、フィニッシュの工夫の仕方。ピッチの外では、後輩への接し方。僕は今、ロナウドにしてもらったことを、ネイマールやルーカスにしてあげようと頑張っているんだ」

 そのネイマールとルーカスは、19歳と18歳。小柄な2人が、練習の合間に、ロナウドに取っ組み合いを挑む様子はかわいらしく、ロナウドも本当に温かい笑顔で、2人と向き合っていた。

 試合は、ブラジルが開始当初からルーマニアを攻め続け、前半21分、フレッジのゴールで1-0とリード。

 その試合中も、スタジアムのオーロラビジョンでは、ロナウドがロッカールームで準備し、ウォーミングアップしている様子が映し出され、期待感を盛り上げる。

 そして、前半30分。スタンド待望のロナウドが、センターフォワードとして投入された。両ウイングのロビーニョとネイマール、それにサイドバックのマイコンが、ロナウドにセレソンでの最後のゴールを決めさせようと、再三クロスやパスを送る。試合90分間を通しても、最も攻撃的でスピーディーな展開を、15分間に渡って繰り広げた。しかし、3度の決定的なチャンスが訪れたものの、ロナウドのシュートがゴールネットを揺らすことはなかった。

 前半を終えると、ハーフタイムはそのまま、ロナウドの引退セレモニーへと移った。両チームの選手達に拍手で称えられたロナウドは、ブラジル国旗を背負い、場内をゆっくりとウイニングラン。最後はピッチの真ん中に立ち「3度のチャンスを外してしまって、ごめんなさい」と、まずはゴールを決められなかったことを、スタンドに謝罪。引き続き「みなさんには感謝ばかりです。歓喜の時は共に歓喜し、泣く時は共に泣いて、いつも僕を支えてくれた」と感謝を語り、スタジアム中に響くロナウドコールの中、ピッチを去った。

 試合は後半も、ブラジルが攻めながら追加点を奪えず、1-0で終えた。しかし、ロナウドのためのフェスティバルと、コパアメリカのためのテスト、そして結果、すべてを実現した後のセレソンの選手達は、試合後、晴れやかな表情だった。

[写真]ロナウド、試合前日の記者会見で

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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