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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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コパカバーナで東日本大震災チャリティーマッチ開催
by 藤原清美

 2014年W杯ブラジル大会の大陸別予選組み合わせ抽選会が行なわれた30日、同じリオデジャネイロのコパカバーナで、東日本大震災のためのチャリティーマッチ、ビーチサッカーブラジル代表対日本代表が行なわれた。

 この試合に先立って、往年の名選手たちによるビーチサッカーのエキシビションマッチも開催。元ブラジル代のカフーと、東京V、浦和でもプレーしたワシントンがキャプテンを務めた両チームには、アルシンド(元鹿島)、ロナウド(元清水)ら元Jリーガーをはじめ、スターたちが顔をそろえ、ピッチからビーチに舞台を移しても、華麗で迫力あるプレーを披露。カフーがハットトリック、ワシントンが2ゴールを決めるなど会場を沸かせた。

 代表同士の対戦では、両チームともベストメンバーをそろえての熱戦となった。ブラジルがキャプテンのベンジャミンの2ゴールを含む4得点を挙げたのに対し、日本もエースの山内悠誠の2ゴールで応戦。その実力を大いに発揮した。

 このイベントには、被災地となった釜石市から、11歳と12歳の子供たち4人が招待されていた。現地の中堅クラブで同年代の子供たちの練習に参加したり、夕食会で両代表チームの選手たちと楽しくおしゃべりし、日本代表選手たちには「ブラジル人は豆をたくさん食べるから、強くなるんだよ」とアドバイスをもらった。そしてこの日はワシントンやカフー、アルシンドと一緒に、ウォーミングアップでボールを蹴ることもできた。さまざまな触れ合いに、満面の笑顔を見せた子供たち。

 試合後、ジーコは「すべての困難は、いつだって乗り越えることができる。ただ、その困難に打ち勝つのは、とても大変で、とても厳しいこと。だから、大事なのは、世界が連帯し、団結することなんだ。苦しみを抱えてブラジルにやってきた釜石市の子供たちも、ブラジル人の愛情と支えを実際に感じて、それを日本で家族や友達に伝えてくれると思う。それがまた、日本を元気にしてくれるはずだよ」と、日本へのメッセージを語った。
ブラジル代表キャプテンのベンジャミンは「素晴らしい試合だった。日本代表におめでとうを言いたいよ。年々成長し、対戦するたちに良くなっているんだから。とはいえ、今日の試合では、結果はそれほど重要じゃないと思う。釜石市の子供たちが、ブラジル人の愛情を感じてくれたのなら、それが一番大事。僕はここで、このイベントに参加できたことを神に感謝したい」

 日本代表キャプテンの河原塚毅は「子供たちが明るく笑っている様子を見て、本当にジーンと来た。スポーツって本当にすごい力があると思う。こうやってビーチサッカーを通して、これからも、被災地の子供達に勇気を与えたい」と、今後の活動にも意欲を見せた。

[写真]チャリティーマッチでアルシンドと写真を撮る釜石市の子供たち

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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