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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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体罰問題、悪いところは悪いで消滅しなければいけない
by セルジオ越後

 大阪の高校、そして柔道でも体罰問題が取り上げられている。日本では古くからのテーマ。随分昔、体罰は「スパルタ教育」などのことばで評価されていた。「愛のムチ」とも言われることがあるけれど、線をどこで引くのか。桜宮高校のバスケットボール部では先生の行動が度を過ぎていたようだ。他の生徒達は「大丈夫」と言っているみたいけれど、同じ先生が人によって回数の違うだけ手を出したと報道されている。責任を逃れるためか、大阪市が介入してきているけれど、そこで解決する問題ではない。法律に基づいて法律で解決するしかないよ。そしてこの問題は教育委員会で国として取り組んでいかなければならない。

 体罰はすごく難しい問題。多くのスポーツにおいて、ボクはオリンピックに出た選手もプロになった選手も“殴られて成長した”と思っている。時に「愛のムチ」を受けながらも、目標を持って、歯を食いしばって練習した選手たちが、日本を世界で戦えるレベルへと引き上げた。実際にサッカー界でもそれはあった。これは全国各地で行われていたことだと思う。現在、少しずつ体罰問題が出てきているけれど、真剣に調査したら間違いなくもっと出てくるよ。ただ、全てを問題として挙げていたら、日本のスポーツ界は全てストップしてしまうことになるだろう。日本を強くした指導を日本が否定しようとしている。

 指導の内容については生徒と先生、当人同士の信頼関係じゃないかな。もちろん、指導と暴力は違うし、悪いところは悪いで消滅しなければいけない。女子柔道の暴行事件も恥ずかしがらずに告発したから取り上げられた。ただ、当事者以外の一生懸命やっている先生や生徒が被害を受けるのはちょっと違う。いきなり問題として出てきたけれど、周囲もメディアも知っていたのに知らないフリをしていたはずだ。勝ったらOK? 胴上げできたらOK? 結局、結果を求める人たちや、名前を広めたら儲かる人たちのところで出 てきている印象だ。

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