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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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今のJリーグは畑がなくなって、米がなくなっている
by セルジオ越後

 14年からJ3がスタートすることが決まった。自分の考え方としてはJ1、J2の下にJ3がつくられることは賛成だ。理由はJ3で選手を育てて、上のリーグに上げることができるから。育てる文化が日本にはない。元々試合数はあまり多くはなかったけれど、サテライトリーグを止めて、穴が開いてしまっている。若手で取り上げられる存在が本当にいない。Jリーグを見ていて全然新しい選手が出てこないのは、試合経験が少なすぎることが大きな原因のひとつだろう。

 もちろん勝つために試合をするのだけど、J3全部のチームに「J1に来て」ではいけない。J1だけを目指すのではなくて、選手を育ててJ1へ送り出すということを目的とするクラブがあっていい。イタリアだったらセリエAからセリエCにレンタルで移籍して、経験を積んで戻ってくるし、イングランドでも他のリーグでもそうやって選手を育てている。セリエCには勝つことと同時に、自分のクラブから巣立っていった選手の活躍を楽しみにしている人たちもいる。もちろん35歳でJ1に上がってくるのもいいけれど、もっとフレッシュな選手のレベルを上げてほしい。ボクはJ3に大学生を入れてもいいと思っている。J3が選手の育っていないことに対する解決策になれば、選手を育てる環境になればいいと思う。

 日本は高校で活躍してもプロで1年間全く試合に出なかったり、厳しい試合経験を積むことができていない。環境がないから選手がいなくなった。高校サッカーなどほかのカテゴリーでも同じだけど、補欠が多いのは日本の問題。今のJリーグには畑がなくなって、米がなくなっている。だから、下のリーグで経験をさせて上へ上げること。ただし、J3をつくるのだったら、J1はプレミアリーグと言えるものにしたい。チーム数を18から減らして、よりレベルの高いスーパーリーグにして、全国からトップ選手を送り出せばいい。ボクはJ1が14、J2が14、J3も14の42チームが理想だと思う。そうすれば各リーグのレベルも上がる。Jリーグにはチーム数を増やすことで放映権収入の増加とか、お金儲けに突っ走って欲しくはない。せっかくやる改革なのだから、じっくりと考えて、将来の日本サッカーのためにつなげて欲しい。

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