beacon

セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

このエントリーをはてなブックマークに追加

スター選手のいないリーグに、将来性はない
by セルジオ越後

 ACLを見るとJリーグのレベルが上がっていないのが分かる。チャンピオンのサンフレッチェのグループリーグ敗退が決まり、ベガルタもレッズも苦しい戦い。レイソルは少し頑張っているけれど、Jリーグのレベルは昨年より上がっているとは言えない状況だ。

 J1を見てもベテラン揃いのマリノスがトップで、ほかのチームは勝ったり、負けたり。ベテランが頑張っているのは嬉しいけれど、今年活躍している選手として話題に誰の名前も出てこないのは寂しいね。新しい名前が出てきたり、日本代表へ入るために猛アピールしているというようなニュースが全くない。外国人もスーパーがいないし、苦しいなという感じだ。

 みんな海外に出て行ってしまった。多分、今後もこの傾向は変わらないだろう。国内の選手は海外ブランドにぶら下がってしまっている。スター選手のいないリーグに、将来性はないよ。ただ、海外に出て行った小野も大前も、全くニュースになっていない。Jリーグで二桁得点を記録したり、エース級の活躍をしたりしていた彼らが、海外に出るとこの成績。これが今のJリーグのレベルだ。

 Jリーグを魅力あるものにしよう、盛り上げようというパワーはもっともっと必要だ。Jリーグは開幕から20年経って企業が苦しい、チームも苦しいという状況。やはり、競争がないのは問題だ。ヨーロッパは選挙で勝った会長がトップにいるのに、日本のクラブは社長。昔でいうサッカー部部長だ。ボクはクラブのトップは選挙で選ばれるべきだと思う。欧州や南米は「優勝する」「いい選手を連れてくる」と公約を掲げてクラブをつくる。そこにお金が生じて、期待も高まる。日本はもっともっと競争が必要じゃないのか。

 日本のプロ野球は景気のいいIT産業が球団を買収したりしている。DeNAやソフトバンクはプロ野球に価値があると判断して投資している。でもサッカーはどうだろう。そう言った魅力はあるのかな。20年前は確かに華やかだったけれど、だんだん規模が小さくなって、レベルが低くなって落ち着こうとしている。安倍総理が「アベノミクス」と言って経済対策をしているけれど、Jには影響なさそうだね。

 選手がいない。改革もない。この後さらにニュースが少なくなればどうなるか。持続することはできるけれど、改革することは難しい。停滞しているリーグをもう一度立て直せるのか。100年構想まで届けばいいけれど、苦しいのは今。将来のことばかりではなく、今を改革しなければいけない。

TOP