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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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0-3。いい時は褒めてダメな時はダメと読者に教えるのがメディア
by セルジオ越後

 日本代表はコンフェデレーションズカップの開幕戦でブラジルに0-3で負けた。日本の選手はブラジルを甘く見ていたね。内容も完敗だった。今の状況、力の差、そのまんま出たんじゃないかなと思う。香川はスーパーではない。本田は言っていることが、できるまでまだ到達していない。そして日本は強いチームになっていない。あの内容では優勝は無理。スピード、激しさも完全に負けている。良くないと言われているブラジル相手に何もできなかった。日本のマスコミは海外組をスター扱いするけれど、ブンデスリーガでもトップクラブで主力のブラジルと、出たり出なかったりの日本とではこれくらい差がある。この大会を最後に海外ブランドが消える可能性があるね。

 ワールドカップ出場を決めて盛り上がっている中で現実に戻された。ただ、選手には何も責任がない。ギリギリで勝ったイラク戦で何が悪いのか指摘もせずに、劇的なゴールのところだけクローズアップして、読者やサポーターに過度の期待をさせてしまったメディアが悪い。

 完敗だったブラジル戦のあと、選手の発言とか本音が出なかったのが残念。長友は「中学生とプロのレベル」と言っていたけれど、そういったコメントが話題になることはほとんどなかった。事実を受け止めているのに、メディアからはマイナスなコメントが出てこない。日本の社会はこれを好まない。逆にビッグマウスは面白半分に報道していく。売る社会が先行して評論がない。今回も本人は完敗と言っているのに、それに対するツッコミがない。

 いい時は褒めてダメな時はダメと読者に教えるのがメディア。教育も一緒。いい時は褒めても、悪い時に黙っていたらとんでもない人間になる。スター扱いされた選手に読者もブーイングすらしない。Jリーグが始まった頃、ビスマルクは負けても、サインを求められると言っていた。サッカーというよりも、アイドルを見ればいいイベントばかりになってしまっている。だから会場でも代表選手を見れば満足。悪い内容の試合でも拍手ばかりだ。

 外国では手のひらを返すようなバッシングがある。本田は他の国だったら「口先だけ」と必ず言われるだろう。あとは本人がやるかどうか。試合で取り戻してまたヒーローになるんだ。今回もザッケローニ采配は大失敗だった。でも彼の失敗は記事にならない。メディアが遠慮している限りはワールドカップの優勝なんか絶対に無理。負けたときにしっかりと分析していかないといけない。そして負けをプラスにしなければいけない。

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