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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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横綱相撲ではなく、うっちゃりで何とか勝っただけ
by セルジオ越後

 東アジアカップを日本は2勝1分の成績で優勝した。柿谷だけが目立ちすぎたかな。新聞も、テレビも柿谷、柿谷…。でもスターをつくる意味でこれは良かったと思う。

 優勝したことは良かった。ただ、東アジアカップは内容と趣旨に課題が残った。3試合メンバーを入れ替えて戦ったけれど、2試合出た選手の方が1試合出た選手よりも明らかに得をした印象だ。出場時間の短かった大迫がオーストラリアから2点取って、齋藤もゴールを決めてアピールしている。はっきり言って日本は大迫のお陰で韓国との試合で「引き分けでもいい」試合をすることができた。ほぼ全員が試合に出たけれど、最初から3試合の起用法が決まってしまっていた感じがするのは残念だ。

 また、戦い方は10人で守ってカウンター。横綱相撲ではなく、うっちゃりで何とか勝っただけだよ。オリンピックの時の永井とか、南アフリカの本田のように前線に1人だけ残して、守る一辺倒。弱いチームが強いチームと戦う時の勝ち方だった。韓国戦の前半は1-9くらいで押し込まれて柿谷の一発だけ。後半は少し良くなったけれどそれでも2-8で試合を支配されていた。柿谷残してカウンター戦術。強いチームがやる作戦ではない。セカンドボールもどれだけ拾われたか。よくやられなかったと思うね。全員で守って勝ったフランス戦を思い出したけれど、もし負けていたら恥をかくような内容だった。MVPも山口。日本は攻撃よりも守りの印象の方が強かったようだね。韓国もベストチームではなかった。アジアであれくらいだったら、世界のトップではどうかなと思う。やっぱり守るサッカーになるのか。それでは4年前から成長したとは言えないよ。

 アピールした選手はこれから強いチーム相手に何ができるか試される。高いレベルで結果を残せるかどうか。ザッケローニ監督がこの結果を見て、いつものメンバーにどう混ぜていくか。ウルグアイ戦ではどういうメンバーを選んで、どういうチャンスを与えて、どういうパフォーマンスを残すのか見てみたい。

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