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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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ワールドカップまで時間がない中で日本はもったいないことをした
by セルジオ越後

 日本代表はグアテマラ代表に3-0で勝った。グアテマラはワールドカップまで1年を切って課題が山盛りあったチームが、ワールドカップへ向けた強化のために課題を見つける相手ではない。これでは誰がいいのか、何が改善されたのか分からない。ダラダラ試合をしただけ。危機感あるチームだったら相手を圧倒しなければいけない。でも、特に前半のチームはノーゴールでアピールに行くチームではなかった。香川もクラブで試合に出られないのが分かるようなパフォーマンスだった。

 もうワールドカップへのカウントダウンは始まっているんだ。ワールドカップへ向けて一日も無駄にできない中でのゲームだった。それなのにあの相手。日本の大学生チームと戦った方が良かったんじゃない? グアテマラは誰が決めて誰が連れてきたのか。マスコミも誰も物申さないから日本代表の試合は興行優先になっている。結局、勝っても負けても課題や監督の采配を指摘せず、海外組の話題で終わるだけの報道。付けられた世論はマスコミに責任があるよ。チームの中からも危機感のあるコメントをしている選手はいなかった。長友ぐらいじゃないかな。「こんなところとやっていたら強くなれない」と。それもほとんど報道されなかったね。

 ザッケローニ監督は「みんなエンジョイして楽しくやってよかった」と話していた。イベントをやるならばカズを入れてチャリティーでやった方がいい。ファンもコンサートの本田、香川、長友、内田ら“アイドル”目当て。こんな相手なのにスタジアムに来るのか。こんな試合でチケットが売りきれるなんて信じられないよ。日本代表の試合は世界で一番カメラを持ったお客さんが多い。こんな内容ならば、ほかのどの国でもブーイングになる。試合の途中で席を立つだろうね。でもどんな試合内容でもファンは拍手、拍手、拍手。だから日本サッカー協会も「強くなくても、こういう相手でも盛り上がるんだ」と思ってしまう。お客さんが入るからちゃんとした相手を連れてこなくてもいいという文化。ワールドカップまで時間がない中で、日本はもったいないことをした。

 もうひとつ、本田の発言が気になった。柿谷を絶賛してまるで自分のパートナーにふさわしいというように聞こえる。チームにとって柿谷が一番いいとアピールするのはちょっと違うと思う。その権利は彼にはない。みんないい選手だと言っておけばいい。先発した大迫は前半動いていたのに回ってこなかった状況。で、自分が入った後半のチームメートを評価している。外国だったら、「大迫と対立」と書かれる。これは他のチームメートに失礼じゃないか。柿谷は点を取っていなかった。点を取ったのは工藤だったけど彼は褒められたのかな。マスコミの報道の影響もあるかもしれないけれど、チームが分裂しているように映るのは心配だ。FWの柿谷は点を取ってもっとアピールしなければいけない。結果で自分を周囲に認めさせてほしいね。

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