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オシム式

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オシム式     その4 

タイトロープ

「出来るだけ多くの選手をギリギリまで見たい」という意向にそって、16日新潟で行われるイエメン戦は8月12日Jリーグ12節を見て決定することになった。

 ジーコは1週間から10日前に決める。代表決定後にJの試合がないため選手が手抜きをしたり反対に怪我をしたりということはこれでなくなる。 協会のスタッフやメディアにはドタバタが。

「少しでも多くのトレーニングをしたい」という意向にそって、当初の予定を一日前倒し8月13日代表選手決定、即召集とあいなった。

 オシム式カウンター攻撃(オシム式その1参照)の効果が随所に現れてきている。

 日本社会というのはカレン・ウォルフレンの指摘を待つまでもなく「しかたがない」「しょうがない」が物事決定の鍵を握る。

「今まであまりないケースですがオシム監督は『それが代表だ』と話してました」(小野技術委員長)オシムさんが言うんだから「しかたがない」「しょうがない」という構造ができつつある。

外圧を利用したこのメカニズムは物事の決定がはやくなるためには日本では最良の方法かもしれない。

選手には「頭使って考えろ」というオシム監督だが協会やクラブやメディアには「考える余裕を与えない」タイトロープ作戦に出ている。

 「自らすすんでタイトロープにのることが芸事の成功の秘訣」(演出家ボブフォッシー)

 綱渡り、人間は無理矢理でもそうした緊迫した事態にならないと何もしない。あえてその状況を作り出して人を動かす作戦だ。

<写真説明>8月9日、トリニダード・トバゴ戦。鋭い眼光で戦況を見つめるオシム。

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