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そのとき、功太から楓にメールが届いた。
「男子は光陽台に勝って選手権出場だって。よかったわね」
「そうね、それがせめてもの救いよね」
「多村先生を送り出したかいがあったね」
「私たちだって先生がいればきっと……」
「綾乃、それは言いっこなしよ」
「わかってるけど……」
「この先も、多村先生は男子部の指揮をとるのかな」
「えっ」
「だって、他にやれる人いないでしょ。向井先生の復帰は無理だろうし、全国大会でも多村先生がベンチにはいるんじゃないの」
「そんな、じゃあ私達は……」
「しらないわよ……」
みんなの話を聞きながら、楓も多村がこのまま男子チームを指揮していくのだろうと思っていた。全国大会でチームを率いるのは、すべての指導者にとって夢に違いない。
海岸線の道路に見慣れた自転車の姿が現れたのは、メンバーの会話が途切れたときだった。
「おーい、おまえらなんだこんなところにいたのか。探し回ったぞ」
「先生……。多村先生」
※本連載は毎週月・水・金に配信予定です。
女子W杯でMVP&得点王に輝いたなでしこジャパンの澤穂希選手をモデルに、国民的サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏が書き下ろした青春サッカー小説『サッカー少女 楓』。各メディアに引っ張りだこの話題作を全文まとめて読みたい方はコチラ(amazon.jp)からお買い求め下さい。
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