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楓の見事な同点弾に、スタンドの応援団は大きくどよめいた。
「室井、なんだ、今のシュートは?」
「わかりません。男子でもうてないですよね」
推薦で大学のサッカー部に入った見城が、功太と顔を見合わせて驚いている。
島村は「じっちゃん、あいつはやっぱり凄いんだよ」と、善次郎に笑いかけた。その隣で一平が「すごい、すごい」と歓声をあげている。
ブルドッグスやピンクレディースのメンバーたちも、楓のプレーに見とれていた。
「あいつ、またうまくなってるな」
「こりゃ、俺たち全員でかかっても二度と勝てないかもな」
「本当に、私たちの手の届かないところに行っちゃいそうだわ」
その直後、楓とのワンツーでディフェンダーを振り切った零も、得意の左足でゴールを決めた。
逆転された鶴見女学館は、楓と零へのマークをいっそうきつくした。
人数をかけて楓から零へのホットラインを寸断しようとしたが、そのためにそれぞれのマークが乱れた瞬間をサキは見逃さなかった。
楓からパスを受けたサキは、サイドへふくらんだ零へパスを出すと見せかけ、そのままドリブルで切りこんだ。零の動きにつられ、鶴見女学館の守備陣は真ん中に大きな穴ができている。サキはそのままゴールキーパーと1対1になると、最後はゴールキーパーもかわしてゴールを決めた。
これで湘南平は3対1と、2点のリードを奪う。
※本連載は毎週月・水・金に配信予定です。
女子W杯でMVP&得点王に輝いたなでしこジャパンの澤穂希選手をモデルに、国民的サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏が書き下ろした青春サッカー小説『サッカー少女 楓』。各メディアに引っ張りだこの話題作を全文まとめて読みたい方はコチラ(amazon.jp)からお買い求め下さい。
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