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　ワールドカップを戦う日本代表メンバーが発表された。ザッケローニ監督は“保険”をつけてメンバーを選んだという印象だ。長谷部や内田といったコンディションが間に合うか分からないポジションのところに若い選手を起用した。そして調子の上がらない香川、柿谷のところに“保険”として大久保を呼んだ。ただし、大久保を呼んだことがサプライズならば、柿谷が落ちなかったこともサプライズだと思う。ボクは彼の今年のパフォーマンスがいいと思っていない。メンバーのコンディションを優先するならば柿谷や香川は外されてもおかしくないような状況だったはずだ。会場のマスコミは大久保が呼ばれたときに「オー」とどよめくのならば、柿谷が呼ばれた時も「オー」と言うべきだったよ。

　宿題も残したメンバー発表だった。大久保は昨年の得点王だし、「今さら」と言いたいくらい。ただ、ボクはこれまで呼んでいなかった大久保をあえて選ぶのであれば、誰か不調の選手を落とさなければいけなかったと思う。FW登録で8人も選んでいるけれど、それは落とす選手を決められなかったからじゃないか。コンディションのいい選手を選ぶと言っておきながら、最終的にはこれまで主力として使ってきた選手が戻ってくることを期待するメンバー構成となった。香川が代表に戻って爆発したり、柿谷がもう一度点取ったりすればいいけれどね。調子の良くなかった選手が戻ってくることを期待するのであれば、去年コンディションを下げた前田や中村憲剛が選ばれても良かったんじゃないかなと思うよ。

　あと、ザッケローニ監督は「たくさんの攻撃的な選手を選ぶ決断をした。主導権を握ったサッカーをするならこのメンバーが正しいのではないかと」と話していたが、守備の課題を本人が感じていないのが心配だ。これまでの親善試合ではセットプレーの守備など攻撃以上に守備面に不安要素があった。それを改善するためのことをしなくて、攻撃の選手を増やした。攻撃にサプライズが欲しいなら、守備にもサプライズが欲しかった。逆にこのメンバーでどうやっていくのか楽しみだよ。現在のメンバーでも守備を立て直す自信があるんだろう。前回のワールドカップでも大会直前でレギュラーを半分以上入れ替えたし、どうなっていくのか楽しみだ。

　内田や長谷部のコンディションはまだまだ整っていない。ザッケローニ監督があと1か月で選手たちのコンディションをどう上げるのかにも注目だ。最後にザッケローニ監督はサプライズで大久保を呼んだけれど、日本にとっての本当の切り札は岡崎だよ。もちろん、大久保や他のFWにも期待はしているけれど、今最も結果を残しているのは岡崎。だから、本大会でも「岡崎しかない」くらいに期待している。