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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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メディアがどうサッカーをニュースにしていくのかも大きな課題の残った大会だった
by セルジオ越後

 今回のワールドカップ、日本は残念な結果になったし、アジア全体が低迷した。ただベスト4には強いチームが残った。ハメス・ロドリゲスのような新しいスターも現れたし、得点も良く入る、全体的に面白い大会になったと思う。デモや準備の遅さが指摘されていたけれど、いいワールドカップになったことは間違いないだろう。

 ポルトガルやイングランド、スペインが予選で負けてアルゼンチンやコロンビアなどの南米のチームが活躍。それを応援する多くのサポーターが来ていたこともあって、また大会が盛り上がった。日本が参加したことも忘れてしまうような盛り上がりだ。ドイツは組織的でパワフルなサッカーをやり、オランダは勝ちに徹したサッカーでベスト4まで来た。またマイヤーとかGKも目立っている大会だと思う。一方で、ネイマールのけがはペレが怪我した時と同じくらいワールドカップの歴史に残るだろう。

 今回のワールドカップを振り返ると、日本と世界の差は広がってしまったような印象だ。ファルカオのいなかったコロンビアやリベリのいないフランスがベスト8まで勝ち上がったことを考えると、言い訳することはできない。世界から見て日本で印象に残った選手がどれほどいたか。将来、本田や香川はビッグクラブに残れるのか、心配になる。

 日本のメディアがつくったスターは世界基準のスターではないということ。日本のメディアが強いと過信させていた日本はワールドカップで1勝もすることができなかった。課題を見過ごして大丈夫、大丈夫と言っていたら、本当に次のワールドカップに行けなくなるよ。これからメディアがどうサッカーをニュースにしていくのかも大きな課題の残った大会だった。

 世界との差を詰めるのは簡単なことではない。ベテランに頼ってきた日本はいずれ空白の時代に入る。ピークを過ぎてしまった選手たちの代わりに誰が出てくるのか、見えてこない。メディアが実力のない選手をスターにしても今回のブラジルと同じことの繰り返しになるだけだ。日本のこれからにはちょっと不安要素が多い。大丈夫かなと思うよ。

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