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柴崎2発で逆転も鹿島は延長で力尽く…レアルがC・ロナウドのハットでクラブW杯制覇

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レアル・マドリーが2年ぶり2度目のクラブW杯制覇を成し遂げた

[12.18 クラブW杯決勝 R・マドリー4-2(延長)鹿島 横浜]

 FIFAクラブワールドカップ2016の決勝が18日、横浜国際総合競技場で行われ、欧州代表のレアル・マドリー(スペイン)と開催国代表の鹿島アントラーズが対戦し、延長戦の末、レアルが4-2で激闘を制した。レアルは前半9分、FWカリム・ベンゼマのゴールで先制。鹿島も前半44分、後半7分とMF柴崎岳が立て続けにゴールを奪い、逆転に成功するが、レアルは後半15分にFWクリスティアーノ・ロナウドのPKで追いついた。延長前半8分に勝ち越しゴールを決めたC・ロナウドは同14分にハットトリック達成となるダメ押しゴール。レアルが2年ぶり2度目のクラブW杯制覇を成し遂げた。

 レアルは15日の準決勝クラブ・アメリカ戦(2-0)から先発一人を変更。DFナチョ・フェルナンデスに代わってDFセルヒオ・ラモスが先発し、DFラファエル・バランとセンターバックを組んだ。
 初出場でアジア勢初の決勝進出を果たした鹿島は14日の準決勝アトレティコ・ナシオナル戦(3-0)から先発2人を入れ替え、MF中村充孝、FW赤崎秀平がベンチスタート。中盤は2試合ぶり先発のMF永木亮太がMF小笠原満男とダブルボランチを組み、左サイドに柴崎が入った。前線ではFW金崎夢生が今大会初先発。FW土居聖真と2トップを組んだ。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりの2分、中盤でMFカゼミーロに寄せた小笠原のチャージがファウルを取られるなど序盤から積極的にプレッシャーをかけ、球際で厳しく戦う鹿島だが、高い技術でプレスをいなすレアルが徐々にボールポゼッションを高めていく。

 迎えた前半9分、レアルはMFルーカス・バスケスが右サイドからクロスボールを入れると、DF植田直通にヘディングでクリアされるが、セカンドボールをMFルカ・モドリッチがPA手前から右足でミドルシュート。GK曽ヶ端準が前に弾いたボールをベンゼマが右足で押し込んだ。

 ベンゼマの2試合連続ゴールで先制したレアルだが、鹿島の守備陣も集中を切らさない。C・ロナウドの突破に対しても植田が冷静に対応し、カバーリングも徹底。前半27分、ベンゼマの左足ミドルは曽ヶ端の好セーブでしのぐなど、2点目を許さなかった。

 すると前半終了間際の44分、左サイドでボールを持った土居が鋭い切り返しから縦に仕掛け、左足でグラウンダーのクロス。柴崎のトラップは大きくなったが、バランの右足に当たってこぼれたボールに自ら素早く反応し、左足を振り抜いた。これがゴール右隅に吸い込まれ、値千金の同点弾。柴崎の今大会初ゴールで試合を振り出しに戻すと、後半7分にも再び背番号10の左足が炸裂した。

 敵陣中央でセカンドボールを拾った柴崎は相手に囲まれながらもドリブルで左方向に流れ、DFダニエル・カルバハルを振り切って左足を一閃。PA手前からグラウンダーのミドルシュートをゴール左隅に突き刺し、2-1と逆転に成功した。

 公式戦36試合無敗の欧州王者もすぐさま反撃に出る。後半13分、バスケスがドリブルでPA内に切れ込み、柴崎を振り切ると、横からDF山本脩斗のチャージを受け、PK獲得。これをC・ロナウドが冷静にゴール左隅へ決め、2-2の同点に追いついた。

 鹿島は後半22分、小笠原に代えてMFファブリシオを投入し、最初のカードを切る。レアルは同28分、DFマルセロが左サイドから右足でファーサイドへクロス。C・ロナウドが頭で落としたボールをベンゼマが左足ボレーで狙ったが、曽ヶ端のビッグセーブに遭った。

 攻勢を強めるレアルは後半36分、最初の交代枠を使い、バスケスに代えてMFイスコをピッチに送り込む。その直後にはベンゼマのスルーパスにC・ロナウドが抜け出す決定機を迎えるが、右足のシュートは曽ヶ端が右足1本でセーブ。今大会、スーパーセーブを連発する守護神が“白い巨人”の前に立ちはだかった。

 後半42分にはレアルのカウンターの場面でC・ロナウドのドリブル突破をDF昌子源がストップ。同43分、土居に代わってFW鈴木優磨を投入すると、同45分には鹿島のカウンターになりかけた場面で金崎がセルヒオ・ラモスに倒された。警告でもおかしくないファウルだったが、すでにイエローカードを1枚受けていたセルヒオ・ラモスに対し、主審は胸元まで手を伸ばしながら2枚目のカードを出さず、ピッチ上の選手、ベンチは猛抗議した。

 試合は2-2のまま90分を終え、延長戦に突入。粘り強く耐えていた鹿島だったが、延長前半8分、一瞬の隙を突かれた。レアルはハーフウェーライン付近のFKからくさびを入れると、ベンゼマがフリーで受け、素早くゴール前にスルーパス。最終ラインの乱れを突いたC・ロナウドが抜け出し、曽ヶ端との1対1から落ち着いて左足で流し込んだ。

 2-3と再逆転を許した鹿島は延長前半11分、柴崎の左FKに鈴木が打点の高いヘディングシュートで合わせるが、惜しくもクロスバーを直撃。同13分にはMF遠藤康に代えてDF伊東幸敏を投入した。レアルは同14分、カルバハルの右クロスのこぼれ球をMFトニ・クロースが右足で狙うと、当たり損ねたボールがゴール前のC・ロナウドに渡り、左足でシュート。C・ロナウドのハットトリック達成となるダメ押しゴールで4-2と突き放し、アジア勢初優勝を狙った鹿島の夢を最後の最後で打ち砕いた。

(取材・文 西山紘平)

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