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日本代表DF吉田麻也インタビュー「3つ勝って勢いを付けたい」

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 3日のW杯アジア最終予選・オマーン戦で3-0の完封勝利に貢献した日本代表DF吉田麻也。所属するVVVフェンロでは、守備の要でありながら2011-12シーズンはチーム2位の5得点を挙げるなど攻守にわたってチームを牽引。2シーズン連続でエールディビジの入れ替え戦プレーオフに回りながら1部残留も果たした。今やザックジャパン不動のCBとなった23歳が、激動の2011-12シーズンを振り返り、初めて挑むW杯アジア最終予選への決意を語った。(※インタビューは最終予選前に収録)

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―オランダでの今シーズンを振り返ると、どんなシーズンでしたか?
「昨季はケガから復帰したシーズンで、なかなか思うようなパフォーマンスを出せなかったですが、今季は1年間を通して、しっかり試合に出ることができましたし、そういう面では満足しています。でも、内容の面では足りないところだらけでしたし、結果を出せなかったことには悔しさも残ります。決していいシーズンだったとは思わないです」

―チームは4連勝したあとに連敗が続くなど、なかなか成績が安定しませんでした。
「あの流れをもっと継続させたかったですし、ああいうパフォーマンスを出せるときもあるわけですから、チームとしての底上げがもっと大事になってくると思います。実際、負けた試合でも、内容では負けに値しなかった試合もありました。自分たちのミスで負けてしまった試合もあるので、そういうところを減らしていければ、こういう結果にはならなかったと思います」

―チームとして持っている力を出し切れない試合が多かったということですか?
「そうですね。チームとしてもそうですが、選手個々がまだまだ未熟だったなと思います」

―吉田選手が退場した試合で連勝が止まってしまいました。その悔しさもあったのではないですか?
「そこから7連敗しているので、もちろん流れを断ち切ってしまったと思っていますし、退場(による2試合の出場停止処分)から復帰してからもなかなかいい結果を出せなかったので、そこは悔しいです」

―DFながら今季は5ゴールを決めました。チームではFWのビルトシュット選手の6ゴールに次ぐ数字です。
「あまり順位は気にしてないですが、個人的に5点取れたことは良かったと思っています。ただ、その分、失点もすごくしているので、あまり気にしてはいないです」

―スパイクでこだわっている部分はありますか?
「履いて違和感がないこと、足にフィットすることはもちろんですが、僕の場合は左足を疲労骨折しているので、なるべく足に負担がかからないように、かつハイパフォーマンスが出せるシューズをいつも『ミズノ』にお願いしています。一番はケガをしなくて、履きやすいもの。あとは靴ずれをしないスパイクですね」

―軽さよりも丈夫なもの?
「速さを求めるより、スパイクには安定感を求めています」

―そうしたこだわりはポジションも影響していますか?
「そうですね。滑るわけにはいかないポジションなので。そういう意味での安定感も必要ですし、ケガに対する安定感も必要ですね」

―ビルドアップやフィードの面でもスパイクは重要になりますか?
「ロングフィードであっても、短いパスであっても、正確に蹴ることができて、誤差が少ないスパイクが一番いいと思うので、その点でも僕の履いている『ウエーブ・イグニタス』は気に入っています」

―攻撃的なチームが多いオランダリーグを戦う中で、DFとして組織の面などで難しい部分もあったのではないですか?
「(VVV)フェンロに限らず、下位のチームは守備のオーガナイズという部分でもろさがあります。その点は難しいですけど、1対1の局面がすごく多いリーグですし、選手個々が1対1で負けなければ、サッカーは負けないスポーツだと思っているので、そういうところでの課題も今シーズンは見つかりました。逆に言えば、たくさん1対1ができるので、自分の能力の底上げにはなるのかなと思います」

―ポジティブに捉えていたということですか?
「ネガティブになるとやっていけないチームなので(笑)」

―苦しい結果が続くと気持ちの面でも大変だったのではないですか?
「去年も同じように負けがこみましたが、去年があって今年があるので、今年は去年よりポジティブに捉えていました。自分が置かれている立場の中で、どれだけのものを出せるか、どれだけ自分がレベルアップできるかというのを求めてきました。最初のころと比べれば、ネガティブに捉えることは少なくなりましたね」

―オランダに来て成長できている実感はありますか?
「守備の面ではすごくいい練習になっていると思います。常に相手にボールポゼッションされて、自分たちは守る側のチームなので守備の局面が多いですし、自分の中では代表に定着するためにも、もっと守備のレベルを上げていかないといけないと思っているので、そういう点では良かったと思っています」

―オランダリーグは特に攻撃の選手に個の能力の高い選手も多いですし、1対1の局面などはいい経験になりそうですね。
「そうですね。日本にはいないような選手がたくさんいるので。どのチームにも、一人は破壊力がすごい選手がいます。そういう相手と毎試合できるというのはすごくいい経験だと思います」

―オランダからステップアップしていくことを考えたとき、CBとしてアピールの難しさを感じたことはなかったですか?
「下位のチームにいるので、失点の場面に絡む回数が多いですし、そこが目立ってしまうので、難しいとは思います。アジア人として体格差や言葉の問題を考えると、さらに難しくなるのかなとは思っていましたが、個人的には言葉も話せるようになりましたし、体格に関しても日本の中では恵まれている方だと思うので。そういうハンデを一つひとつ埋めていけば、十分に上でやれる可能性はあると思いますし、行けるチャンスがあればいつでも行きたいと思っています」

―ドイツだけでなく、オランダリーグにも日本人選手が増えてきています。
「いいことだと思いますよ。対戦相手に日本人がいるというのはすごくワクワクしますし、今季はユトレヒトやフィテッセと対戦して、日本人選手に活躍されて負けているので、すごく悔しさもありました。そうやってお互いが意識し合ってレベルアップしていければ、日本サッカーの今後にもつながりますし、すごくいいことだと思います」

―日本の選手が海外で認められてきたと感じますか?
「本田(圭佑)さんや(香川)真司が結果を出しているので、特にドイツではどのチームも日本人選手を欲しがっているみたいですね。今季は真司がドルトムントで優勝しましたけど、そういうのを見ていると刺激をもらえますし、みんながそういう意識で海外に出て行って、レベルアップしていけば、日本のレベルアップにもつながると思います」

―いよいよW杯アジア最終予選です。
「最初の3試合がすごく大事になってくると思います。とにかくケガをしないで、コンディションを維持すること。プレーオフから連戦でタフな日程が続くので、コンディションを崩さないようにしたいなと思います」

―最終予選の組み合わせはオマーン、ヨルダン、オーストラリア、イラクになりましたが、どんな印象を持ちましたか?
「オーストラリアはアジアの中で飛び抜けていますし、アジアであってアジアではないチームだと思っています。戦い方も変わってきますし、対処の仕方も変わるので、すごく難しい相手だと思います。ヨルダンはアジア杯でも対戦していますが、苦戦を強いられたので、気は抜けないチームです。
 他の2つの国にしても同じことが言えると思います。油断はできないですし、3次予選では、総合的に見ていい試合というのはなかなかできなかったと思っています。最終予選ではそういうことがないように、初戦からつまずかないようにしたいですね。6月の3試合のうち2試合をホームでできますし、アウェーのオーストラリアもほとんど時差がない中での戦いになります。僕らはすごく有利な状況でプレーできると思うので、その3つを勝って勢いを付けたいですし、その3試合で予選突破が決まるぐらいの気持ちで戦いたいと思います」

―吉田選手にとっては初めてのW杯アジア最終予選になります。
「みんな『難しい戦いになる』と言いますし、きっとそうなんだろうと想像はしています。でも、実際にやってみないことには分からないですし、僕は経験したことがない領域なので。しっかり準備してやりたいですし、すごくワクワクしています」

―ブラジルW杯に対する思いは強いですよね。
「前回の南アフリカW杯のときはケガをしていて、W杯期間中は松葉杖をついていました。4年後は絶対にブラジルに行きたいと思っていましたし、現状に満足することなく、もっとレベルアップして、ブラジルで自分が活躍できるようにしたいと思っています。そのためには、まずは予選を突破しないといけないので、本当に一戦一戦を大事に戦いたいと思います」

(取材・文 西山紘平)

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