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[練習試合]早大カルテット躍動!千葉撃破の関東大学選抜B全得点を大学王者が叩きだす

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[2.18 練習試合 千葉2-4関東大学選抜B ユナイテッドパーク]

 1月の全日本大学選手権王者・早稲田大カルテットが逆転勝ちの原動力となった。0-1で折り返した関東大学選抜Bは、後半に4得点を奪ってJクラブに勝利。その全ゴールを叩きだしたのがDF三竿雄斗(3年=東京Vユース)、MF近藤洋史(2年=名古屋U18)、FW片山瑛一(3年=川越高)、FW榎本大希(3年=横浜FMユース)の4人が出場した早大勢だった。

 後半7分、三竿のオーバーラップから近藤が放ったミドルレンジからの右足シュートがDFに当たってそのままゴールへ吸い込まれる。さらに19分には、右クロスからファーサイドに飛び込んだ片山の競ったこぼれ球を榎本が左足で決めて勝ち越しに成功。その後も三竿の決定的な左足シュートや、左サイドからの折り返しに榎本が飛び込み、ボールがポストを叩くなど決定機に絡み続けた。28分に一度同点に追いつかれた関東選抜Bだったが、勝利を決定づけたのも早大勢。36分、榎本のシュートのこぼれ球に素早く反応した片山がプッシュすると、その2分後には近藤がDFの股間を射抜く右足シュートを決めて4-2で試合を終えた。

 早大勢は茨城県の波崎キャンプを前日に終えたばかり。砂浜を走るなど身体をイジメてきたという。関東選抜Bの源平貴久監督(専修大)も「早稲田の子たちはみんな身体が動いて、いい状態だなという印象ですね」と評価していたが、三竿が再三オーバーラップを繰り返し、片山と榎本が前線から激しいプレスをかけるなど、それぞれが出場時間の中で流れを引き寄せる役割をしていた。

 2得点の左MF近藤は「2トップも早稲田の人でしたし、自分の後ろの三竿くんも早稲田なので、いつもと同じ感覚でやることができた。早稲田の強みとしていつも守備の面で前から行って、ハードワークするというのがある。チームとして、ボランチの(稲垣)祥クンとかも、プレッシャー行ってくれて守備の面で機能したかなと思っています」と、早大の武器でもあるハードワークと守備面が機能したことを後半の逆転劇の理由に挙げていた。

 この1年、日本一軍団として、注目される中でプレーすることになる早大イレブン。今回の合宿に参加した4選手は早大の代表として参加しているという思いが非常に強い。榎本は「各部員の思いとか、(早稲田大の)看板を背負って、ここで出て結果を出していかなければいけない。自分のためもそうだし、こっちに来てもチームのために戦うというのが自分たちのやり方なので、全うしていきたいと思います」と言い切った。この日はJクラブ相手でも怖れることなく戦う姿勢、動きを貫徹。その意志の強さを十分に表現するプレーぶりだった。

 デンソーカップチャレンジに出場する関東選抜Bでは早大の代表選手としてふさわしい結果を出してくる。そしてチームの今年の目標について近藤は「今年の第一の目標は関東1部優勝ですね。そこからのインカレ2連覇と天皇杯とタイトルは全部取るつもりでいるんですけど、まずは17年ぶりのリーグ優勝」と口にした。ただ、大学王者は自信を口にしない。榎本は「(去年優勝したが今年も)全然行けるという自信はあまりなくて、危機感のほうが大きい。そういう気持ちでやっていかないと目標達成はできない。特に練習から危機感とかプレッシャーとか、感じながらプレーすることを意識してやっています」。FW富山貴光(現大宮)ら多くの4年生が抜けた今年は、また一からの再スタート。自分たちの代で再び一番を掴むために、常に危機感を持って日々を過ごす決意だ。昨年、「一番でなければ何も意味が無い」と自らにプレッシャーをかけて、そのとおりに頂点に立った早大は今年も勝利に対して非常にどん欲だ。

[写真]後半19分、関東大学選抜Bの榎本が左足で勝ち越しゴール

(取材・文 吉田太郎)

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