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憧れの舞台に立った湘南 MF高山「下を向いていたらもったいない」

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[3.2 J1第1節 横浜FM4-2湘南 日産ス]

 夢の舞台が、現実に立つ場所となった。3年ぶりにJ1でのシーズン開幕を迎えた湘南ベルマーレ。左WBとしてプレーした高山薫は、この横浜F・マリノス戦がJ1デビュー戦だった。だが、J1のピッチに入場するのは、実は初めてのことではなかったという。「小6のときに川崎市選抜の一員として、川崎F対東京Vの試合で、選手と一緒に入場していたんです」と、明かす。さらに運命的なのが、このときに手をつなぎ一緒に入場した選手である。「中澤佑二さんと手をつないで入場したんですよ。そのとき、僕はユニフォームのエリを立てていて、中澤選手に『なんでエリを立てているの?』って聞かれて、『西澤(明訓)選手のマネです!!』って返事をしました。中澤選手は絶対に覚えていないでしょうが、子供はよく覚えているものなんですよね(笑)」と、懐かしがった。

 プロサッカー選手に憧れていた少年は、夢を現実にし、ついに日本で最高峰の舞台であるJ1に足を踏み入れた。そしてJ1の舞台に舞い上がることなく、落ち着いて試合に入ることができた。チームとしても、後半16分にはFWキリノが、この日2点目を挙げて、2-1とリードしている。しかし、その後は横浜FMの反撃に遭い、3失点。最終的には2-4で敗れている。

 初めてJ1でプレーした高山は「キリノが挙げた2点目のように、前で奪ってから速攻という湘南らしさは出せたと思います」と、手応えを口にした。同時にJ1クラブの力も感じ取っていた。「でも、マリノスは90分間パスをつないでいるから、最後まで結構元気がある。マリノスとか、強いチームは最後までそれができる。ウチも最後の20分で失速するのではなく、踏ん張れたら」と話す。

 2-1と1点リードしてからの試合運びについては「狙いとしてはもう1点取りに行っていました。監督もそういう考えだと思いますし、それが湘南らしさだと思います。自分たちがやっていて楽しくないといけないし、見ているお客さんにも楽しんでもらいたい。だから1点取ったから守るのではなく、1点取ったら2点目を取りに行くスタイルでやっていくと思います。今は負けた直後で悔しいですが、J2でもそうやってきましたし、そのやり方は変えてはいけない」と、初志貫徹を誓った。

 横浜FMの強さを実感し、あらためて勝利への欲求が高まったと話す。「J1で勝つのは大変だなってすごく思いました。けど、小さいころから憧れていた中村選手や中澤選手とか、そういう選手がJ1にはたくさんいるので。頑張って勝って、J1にずっと残れるようにしたいです。(負けて)下を向いていたら、もったいないですよ。ここでプレーできることを幸せに思って、毎回、胸を借りるつもりでやっていきたいです」と、言葉に力を込めた。

 差は確かにある。それでも、絶望的な差ではないという感触も残った。「湘南は勢いもあるし、ボールを回されても、なんやかんやボールを取る力もある。そこはしっかりやっていきたいです。今日は終始ボールを回されていましたし、プレシーズンマッチでも(J1のクラブに)負けていますが、どの試合もチャンスはつくれています。そういうのを決められるかどうかが、これからは大事だと思う。あとは齋藤学が入ってきたときの対応とか、課題もあったので、そういうところをしっかりやっていきたいですね」。憧れの舞台に立ち続け、いつかは自分も子どもたちの憧れの対象となるためにも、立ち止まっている時間など少しもないのだ。

(取材・文 河合拓)

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