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鹿島の新13番・中村、移籍後初ゴールも「遅くなって申し訳ない」

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[5.18 J1第12節 鹿島3-1名古屋 カシマ]

 移籍後初ゴールにもサポーターへの謝罪の言葉が口を出た。1-1の後半18分、鹿島アントラーズはFW本山雅志に代えてMF中村充孝を投入すると、その3分後だ。中盤でインターセプトしたMF柴崎岳が中央をドリブルで運び、絶妙なスルーパス。中村がGKとの1対1から右足でゴールに流し込んだ。

「(柴崎)岳がよくタメてくれた。あのタメのおかげで、最後、ドフリーで打つことができた」。アシストの柴崎に感謝した中村は「GKを見たとき、重心がかかっていたので、落ち着いてニアに流そうと思った」と、冷静にGK楢崎正剛の動きの逆を突いた。

 今季、京都から加入した中村にとって、これが待望の移籍後初ゴール。チームを逆転勝利に導く決勝点に「ホームで決められてよかった」と言いながらも「結果を残すのが遅れて、チームにも迷惑をかけた。早く結果を残したい気持ちが強かったし、それが今日になったのは申し訳ない」と、喜びは控えめだった。

 昨季、J2の京都で得点ランキングタイの14ゴールを挙げ、MF登録の選手では最多ゴールを記録した。新天地でも期待の大きさは十二分に理解していた。背番号はかつてFW柳沢敦(現・仙台)、FW興梠慎三(現・浦和)が背負った“エースナンバー”の13番。「周りの人は13という番号を気にすると思うし、鹿島の13番は特別な番号で、常に結果を残さないといけない番号」と、自分自身にプレッシャーをかけてきた。

 だからこそ、初ゴールで満足するわけにはいかない。「自分自身、いつも点を取ることだけを考えている。(チームメイトに)自分の特長を把握してもらうのも遅れたし、自分自身が積極的にできていなかったのが一番。ここからいいスタートを切れるようにがんばりたい」。さらなるゴール量産を誓う鹿島の新13番。「これまで迷惑をかけてきた分を取り返すには、まだまだ結果を残さないといけない。これからが大事」と、あらためて気を引き締めていた。

(取材・文 西山紘平)

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