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世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」、まず5選手が「ジャパンファイナル」へ

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 24日、世界で戦える若きフットボールプレーヤーを探す世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」(昨年までは「NIKE CHANCE」として実施)の「ジャパンセレクション」が開幕。計3回開催される1次選考の第1回目に当たる「キックオフセレクション」が埼玉県のレッズランドで開催され、参加38名から選出されたMF渡邊夢大(東海大高輪台高)、GK櫻井康佑(大成高)、MF西尾裕也(大成高)、DF河野哲志(修徳高)、MF冨澤太輝(明治学院高)の5選手が15年2月21日に横浜みなとみらいスポーツパーク(神奈川)で開催される「ジャパンファイナル」へ進出した。

 セレクション序盤のメニューはトレーニング要素の強いもの。ただセレクションを受けるだけでなく、この場をトレーニングの場として多くのことを学んでほしいという運営側の意向が見て取れた。NIKEスカウトのスペイン人コーチ、イヴァン氏は8対8で流れを止めながら、ボールを受ける際の身体の向きや、ポジショニングなどを細かく指導。そして本格的なセレクションとなる11対11では個々の持ち味に加えて、教わったことをどのくらい表現できるかも選考のポイントになっていた。同じくNIKEスカウトの櫛山匠氏は「練習でできても試合になってできる選手は少ない。アドバイスを受けてどれくらい判断できるか。(セレクション中の)成長力を見ていました」

 参加選手が3チームに別れて始まった11対11。その開始とほぼ同時に浦和レッズのFW李忠成が来場して、選手の動きに熱視線を送っていた。この日、特別スカウトを務めた李の前で将来プロ入りや海外でのプレーを目指す選手たちはアピール。1本目5分に「自分は打点の高さ、ヘディングは自信があるのでデカいゲームになった時にその打点を見せられてたらいいと思っていた」という河野が左CKから豪快なヘディングシュートを打ち込めば、直後にはMF林滉大(大宮東高)がミドルシュートをねじ込む。また冨澤が鋭いドリブルで中央突破を図り、GK櫻井は積極的なコーチングと飛び出しでアピールしていた。2本目にはCB金城雅生(神奈川工高)が相手の突破をスライディングタックルで阻止すると、8分には左SB清水拓(大成高)が敵陣でのインターセプトから持ち上がり、PAでひとりかわして右足シュート。またFW細合力フォスター(柏日体高)が抜け出しからゴールを破る。そして3本目は西尾が対峙するDFを外してクロスを上げるなどテクニックを見せれば、右サイドで「自分の武器であるスピードのあるドリブルを出したいと思っていた」という渡邊が存在感。インターセプトからドリブルでDFをかわしてスルーパスを送ったほか、長い距離をドリブルで持ち込んでクロスを入れるなど印象的なプレーを見せた。

 3本の11対11が終わったところで選手たちは集められ、憧れの存在である李と一問一答。その後に李から最も印象的な選手として名を挙げられた渡邊の合格が決定した。李は夢の実現を目指してチャレンジした選手たちについて「みんな頑張っているから、みんな選びたいという気持ちが本当にありました」と語り、世界へ繋がるスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」が自身の高校時代にあれば興味を示していたという。「道場破り的な感じでね。自分の実力がどこにあるのかの物差しにもなるので、やはりこういうイベントはプロになるっていうだけじゃなくて、自分の物差しになるというところがあって凄く素晴らしい。ファイナルまで行けば、イギリスのピッチでサッカーできるということで凄く夢のあるプロジェクトだと思います」と語っていた。

 選手たちに対しては「僕は中学校、高校1年生になるまで、選抜という選抜に1回も入ったことがなかったです。地区選抜にも入ったことがなくて、高校2年生の時に初めて国体の東京代表に入ったんですけど、それまではこういう選抜だったり、セレクションだったり凄く落ちた。でも、そこで自信をなくすんじゃなくて、大学だったり社会人で、サッカー好きでやり続ければ、本当にサッカー選手じゃなくても、サッカーは人としても凄く成長できるスポーツだと思うので、これからみんな頑張ってください」とメッセージ。合格した河野も「自分も中学とか選抜とか全然絡みがなかった。そういう人でもプロになれるんだと思った」と語ったように、選手たちはこの言葉から勇気を得ていた。

 その後も再開されたセレクションではFW荒川絢太(野津田高)がゴールライン際で鮮やかなドリブルを見せ、FW小野寺元(帝京三高)がスピードを活かしてゴールへ迫る。序盤は「絶対に受かる」「自分が海外へ行く」という思いを表現している選手が少なかったが、李からのメッセージを受けた後、セレクション終盤は球際での激しさが増した。そして全てのメニューが終了。クラブハウスで櫛山スカウトから、渡邊に加えて、櫻井、西尾、河野、冨澤が合格者として発表された。李は「こういうセレクションは落ちる落ちないがあると思うんですけど、落ちたら落ちたで学ぶものはあると思うし、サッカーというスポーツは人としての人格形成にも凄く影響のある良いスポーツだと思う。ボクがそうだったので頑張って欲しいです」という。落選した選手も諦めなければ、また新たなチャンスは訪れるはずだ。

 一方、勝者となった5選手にとって、本当の戦いはこれからだ。櫻井は「自分はイタリアのサッカーが好きなので、ジャパンファイナルも勝ち抜いて海外でサッカーができるようにしたい」と将来への夢を語る。「ジャパンファイナル」では15年1月25日の「関東セレクション」、15年2月8日の「関西セレクション」を勝ち抜いた選手や、日本各地を訪問するナイキスカウトの推薦を受けて参加権を得たプレーヤーと戦う。そこで勝者2名に選出されれば、15年4月末からイングランド代表の本拠地あるセント・ジョージズ・パークで開催されるトライアウト「NIKE MOST WANTEDグローバル ファイナル」に参加。海外でプロになる夢へ近づくことができるのだ。

 これから出場権を獲得してくる選手たちと激突する「ジャパンファイナル」。それへ向けて冨澤は「選ばれたからには全力を尽くしていきたいですし、日々上手くなることを意識していきたい」と誓い、昨年参加した兄に続いて挑戦した西尾は「自分の夢はプロなんで、そこの第一歩になればなと思っています」と力を込めた。夢への扉を開くのは誰か。世界を目指す挑戦者たちの戦いが始まった。

[写真]「ジャパンファイナル」進出を決めた5選手。左から河野、冨澤、渡邊、西尾、櫻井

(取材・文 吉田太郎)



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