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[U-16インターナショナルドリームカップ]要求通りに「最後のところでやらせなかった」U-16日本代表がチリ撃破!優勝へ前進!

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[6.26 U-16インターナショナルドリームカップ第2節 U-16日本代表 2-0 U-16チリ代表 J-GREEN堺]

 U-16日本代表、U-16フランス代表、U-16チリ代表、U-16コスタリカ代表の4チームがリーグ戦(総当たり1回戦)で優勝を争うU-16インターナショナルドリームカップ2015JAPAN Presented by JFAは26日、第2節を行い、日本はMF藤本寛也(東京Vユース)とFW中島元彦(C大阪U-18)のゴールによって2-0で快勝した。日本は2戦2勝で首位。28日の最終節で優勝を懸けて、勝ち点2差の2位・フランスと戦う。

 日本は7-0で快勝したコスタリカ戦から先発7人をチェンジ。4-4-2システムのGKは沖悠哉(鹿島ユース)。4バックは右から田中康介(京都U-18)、橋岡大樹(浦和ユース)、塩崎悠司(興國高)、水田和真(関西学院高)。中盤はゲーム主将の齊藤未月(湘南ユース)と品田愛斗(F東京U-18)のダブルボランチ、右MFが藤本、左MFが新井光(長野U-18)。2トップは加藤拓己(山梨学院高)と中島がコンビを組んだ。

 試合前からピッチを濡らしていた雨は前半半ばごろから非常に激しくなった。その中で日本の選手たちが見せたのは「際の強さ」だった。立ち上がりから攻勢に出たのはチリ。6分には左サイドを破って連続シュートを放ち、12分にはバイタルエリアをパス交換で攻略してシュートにまで持ち込んできた。ややミスもあった日本だが、ここで踏ん張りを見せる。森山佳郎監督も「最初、相手がかなりのテンションで来て、もしそれでフワーとしたり、緩んでいたらやられていたと思う」。積極的な出足から相手の攻撃を跳ね返した橋岡を中心にチリの攻撃を封殺。逆に15分ごろからは高い位置でボールを奪って品田のパスなどから立て続けにシュートチャンスをつくった。

 16分、中島が自ら獲得したFKを右足で狙うと、18分には品田のミドルシュートがゴールを捉える。そして23分には右サイドへのサイドチェンジから強引に中央へ割って入ってきた田中が左足シュート。そして30分には右サイドからショートパスをつなぎ、最後は品田のラストパスから藤本が左足で狙った。チャンスをつくるものの、決めきることのできない日本は30分過ぎにも加藤がPAで決定機を迎えるが、GKルイス・ウレタの好セーブや最後のところで体を張るチリから1点を奪うことができない。それでも「焦ったらいけないし、ゼロゼロなのに負けているような雰囲気は良くないから、何回も(チャンスを)作れというくらいの感じで」(森山監督)攻め続けた日本は37分、先制点を奪う。

 中盤でボールを持った齊藤が斜めのパスを入れると、左中間で受けた新井がPAへ浮き球パス。これをコントロールした加藤がPA内左から中央へ折り返し、最後は藤本が左足ダイレクトでゴールへねじ込んだ。前半14本のシュートを放って1点をもぎ取った日本は後半開始から塩崎、水田、新井、加藤に代えて、CB西山大雅(横浜FMユース)、MF伊藤洋輝(磐田U-18)、左MF堀研太(横浜FMユース)、そしてコスタリカ戦4発のFW中村駿太(柏U-18)を投入する。

 その日本は10分、左サイドでボールを持った堀が後半から左SBへ移った田中のオーバーラップを促す。スペースへ抜け出した田中に折り返しのボールを要求した中島がコントロールから狙いすました右足シュート。これがゴールを破って2-0となった。この後、16分に藤本に代えてMF吉田歩未(市立船橋高)を投入した日本だが、我慢の展開が続いた。ギアを上げてきたチリに押し込まれてなかなか攻め返すことができない。それでも、抜かれたり、パスを通されたらピンチになりそうなシーンで齊藤や伊藤が的確な潰し。伊藤は「(ミーティングの)映像で世界の身体を張るプレーを見てきてみんな刺激されているので、そこで身体を張れているのかなと思いました。(映像で見たのは)ワールドカップの一人抜かれても2人目が出てきて止めたりそういうシーン。世界的なプレーヤーがそれくらいやっているのだから、高校生の自分たちもやらなければいけないというのがあります」と説明したように、トレーニング、ミーティングから森山監督の「ゴール前のところは絶対にやらせたくない」という指導を徹底されてきている日本は最後の局面で身体を張って相手にシュートを打たせない。

 2-0のまま試合を進める日本は34分に田中をSB中矢裕貴(東海大翔洋高)へスイッチ。カウンターからチャンスをつくる日本は独走した中村がファウルで止められるなど追加点を奪うことはできなかったが、最後まで身体を張ること、ゴールを狙い続けることをやりぬいて2-0で快勝した。森山監督は「一人交わされても次のヤツ次のヤツと出て最後のところでやらせなかった」と納得の表情を見せ、齊藤は「ゴリさん(森山監督)に言われていたのは相手最初からやってくるというのが分かっていたので自分たちもそれを上回るようなアグレッシブなプレーっていうのは前半から意識していて、それが上回ったから勝つことができたのかなと思っている」。厳しい国際試合で何をやらなければならないのか理解して表現した選手たち。そして、フランス戦へ向けて齊藤は、「身体で負けないだったり、球際っていうのは、戦えば負けることはないですし、走ることは日本の選手の方がやれるとわかっているのでそこをやっていけば絶対に勝てます。(球際の部分は)きょう全員できていたと思う。次の試合も継続してできればいいと思う」と力強かった。今年新設されたU-16インターナショナルドリームカップの初代王者へ一歩前進した日本。この日行われたコスタリカ戦の先発平均180.2cmというフランスとの最終節でも、やるべきことをそれぞれが徹底して優勝を勝ち取る。

[写真]前半37分、U-16日本代表は藤本が先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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