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アンダー代表で活躍も24歳で“戦力外”…フットサルも経験した平林が戦う9年ぶりのJの舞台

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[9.20 J3第29節 町田1-3山口 町田]

 その笑顔は充実感に溢れていた。後半19分から途中出場したMF平林輝良寛は同35分、左サイドで岸田和人からのパスを受けると、思い切って左足を振り抜く。「体勢が崩れていて入ったのか確認できなかったんですが、サポーターの声援で入ったのかなと確認できました」。イレブンの輪の中で弾ける笑顔。ポストを叩いたシュートはレノファ山口FCの勝利を決定づける3点目となってゴールネットに収まった。

 平林は1984年6月4日生まれ、愛知県稲沢市出身の31歳。名古屋グランパスの下部組織出身で、アンダーの日本代表として活躍。矢野貴章(現名古屋)や藤本淳吾(現横浜FM)、菊地直哉(現鳥栖)らとともに、2001年にトリニダード・トバゴで開かれたU-17世界選手権(現U-17W杯)に出場した。

 2003年にはトップチームに昇格。しかし2006年までの4年間でリーグ戦の出場機会は14試合にとどまり、鳥栖へのレンタルを経て、2007年よりJFLの刈谷に移籍した。刈谷で2年間、エースとして活躍したが、2008年オフ、24歳の平林に厳しい現実が突きつけられた。「サッカーは引退かなと思った。なかなかうまく話がまとまらなくて」。アンダー代表で一緒に活躍した選手が全盛期を迎える中で、平林はひっそりとスパイクを置くことになった。

 しかしそこで声がかけてくれたのが、地元名古屋を本拠地とするフットサルの強豪名古屋オーシャンズだった。「ちょうど名古屋にチームがあったので。それだったらフットサル選手を目指して、新しいことをやろうかなという気持ちで始めました」。最初は練習生からのスタートだったが、最終的にはプロ契約を勝ち取った。

 2011年に当時JFLを戦っていたツエーゲン金沢に加入。満を持してサッカー界に復帰すると、2013年に地域リーグを戦っていた山口に移籍。そして今季より9年ぶりにJの舞台に返り咲いた。「一回フットサルやった分、今は純粋にサッカーを楽しめている。自分でもここまでこれたのはすごいなと思います。今日の町田でもそうですけど、深津(康太=名古屋に同期入団)とか、懐かしい選手と会えるのはすごく刺激になる。またここまで来れるんだなというのは、ちょっと感慨深いですね」。

 ベテラン選手としての自覚も芽生えている。「このチームは上のリーグを経験している選手が少ないので、気持ちの面で支えるなど、自分なりにできることで貢献しようと思っています。個人としてもやっぱり残り少ないサッカー人生を楽しまないとと改めて感じています」。J2昇格にもあと一歩。「J2は唯一、いいイメージを持っていない。鳥栖行ってすぐに怪我をしてしまったので。もう一回、自分の力を今のJ2リーグで試したいなという気持ちはあります」。平林の挑戦はまだまだ続く。

(取材・文 児玉幸洋)


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